関係者によると、日テレ局内でも「エベレストはさすがに危ないのでは…」との慎重論があったが、イモトの登山企画は毎回のように高視聴率を記録しており、数字優先の現場の声にかき消されてしまったという。
その一方、逆に「エベレストならそれほど心配ない」という驚くような意見もある。
「近年、エベレストはルートや攻略法が確立されたこともあり、登頂の失敗は非常に少なくなっています。1990年から2006年までの16年間で4549人が挑戦し、そのうち死亡者は64人。死亡率1.41%で8000メートル級の中では非常に生還率が高く、ここ10年ほどに限っていえばもっと死者は少ない。観光ツアーまで組まれている状況ですから、今までのように極地法で比較的安全なルートから登頂を目指せば心配はそれほどない。むしろ、死亡率17.85%の“死の山”といわれるマナスル登頂の方が本当に危険だった」(登山関係者)
「極地法」とは、大勢のスタッフやガイドが物資とルートを確保し、最終的に少数の登山者で頂上を目指す登山法。安全性が高いものの、高額の費用が必要であり大量のゴミが山に残るなどの問題点もある。だが、プロの登山家ではないイモトにとって大事なのは安全であり、この極地法で今回も山頂を目指すことになるだろう。
前回に比べれば安全性が高いとしても登山は不確定要素が多く、万が一の事態が起こる可能性は誰にも否定できない。現在も回収されていない遺体がエベレストに残されているという残酷な事実もある。視聴者からも「芸人にここまでさせるのはおかしい」「何かあったらどうすんるだ」「イモトに触発された素人が登って事故が起きるパターンが増えそう」などといった批判も少なからず起きている。
とにもかくにも安全第一でイモトが無事に戻ってくることを祈るばかりだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)