またKADOKAWAでは、一昨年の『私の奴隷になりなさい』で壇蜜が見事な脱ぎっぷりを見せて話題になった。昨年も、美少女フィギュアと青年の異形の恋を描いた『フィギュアなあなた』でトップグラドルだった佐々木心音が、『甘い鞭』では間宮夕貴がヌードを披露。今年に入っても『赤×ピンク』で特撮ドラマ界のミューズ・芳賀優里亜が裸体をさらしている。
これらの作品はジャンル的にどうしても「ヌード」という部分が先行して話題となってしまう感がある。しかし実際、必然性はもちろんのこと、物語性においても衝撃度においても、映画本来が持つ“劇場という密室での見てはいけないものに対する好奇心”を刺激する作品ばかりだった。
今作でメガホンを取るのは、木嶋も出演した映画『ユリ子のアロマ』で男子高校生の汗の匂いに欲情する女性のフェチズムを描いた吉田浩太監督。他にも、姉と弟、さらに姉に思いを寄せる女友達という奇妙な三角関係を描いた『お姉ちゃん、弟といく』や、早漏をテーマにした『ソーローなんてくだらない』など、倒錯したエロスを掘り下げることに長けているだけに、出演者は女性のみという今作をどう仕上げるのかは楽しみといえる。
その吉田監督が「拷問もののジャンル映画は世に数多くありますが、『女子校拷問部もの』というのは、おそらく今までなかったジャンルだと思います」と語る同映画。現在、全裸の木嶋と吉住が赤い紐のようなものでつながりながら緊縛されていたり、木嶋が椅子に縛りつけられてM字開脚をしている過激な宣材写真が公開されている。また、製作プロデューサーの大森氏勝氏は木嶋について「役が憑依したかのように現場では自分がどんな演技をしたかわからないほどのめりこんでいますので、彼女の迫真の演技をご覧ください」と絶賛している。
絶大な人気でグラビア界で活躍を続ける木嶋にとって、この『ちょっとかわいいアイアンメイデン』は映画界に本格的に進出すると同時に、それこそ体当たりで挑む野心作といってもいいだろう。ファンならずとも必見なことはもちろん、今年の夏をいろんな意味でアツいものにしてくれることは間違いなさそうだ。
(文=津本ひろとし)
映画『ちょっとかわいいアイアンメイデン』
配給:KADOKAWA
2014年7月公開決定
(C)2014 KADOKAWA