──プレッシャーみたいなものはなかったですか。
「もちろんありましたよ。ブランクからくるプレッシャー、本番とお芝居はできるのかって不安、あと実際に本番して絵になるのかなって不安。ところが、いざ本番ってなると当時の記憶が蘇って役になり切って、改めてお芝居する面白さを感じたの。本番もすんなり。当時から本番やっておけばよかったって思うぐらいに素直に表現できたというか。前は本当に作りだったからね。たとえば挿入されるシーンだったら、挿入されるよって声を作らなきゃいけない。それが本番だと自然体でできるんですよ」
──当時と今で仕事に対する取り組み方って変わりましたか。
「ファンに対する感謝の気持ちが強くなった。昔はファンから『全作品持ってます』と言われても、『ああそうなんですか』ぐらいにしか思っていなくて。だけど今思い返せば、昔のVHSなんて桁が一個違うのに揃えているなんてすごいことじゃないですか。そこが昔は分からなくて、今は大人になったから感謝感謝ですね」
──復帰してからの出演本数は?
「数え切れないよってぐらい出ています(笑)」
──それだけ出ていると、『素人わけあり熟女生中出し080』は素人設定だから難しくなかったですか。
「そう! 素人は難しい(笑)。だって素人じゃないんだもん。素人っぽさがわざとらしくなっちゃって。だけど女優として素人を演じている私を見るって見方もあるんだよなって思って。だから、やりがいはありましたね」
──では作品の内容に即してお話を伺っていきますが、トップシーンは野外露出から始まりますけど、プライベートで経験はありますか。
「ありますよ。ただ中学高校の頃で、大人になってからはさすがにないですね」
──すいぶん遡りますね。それはホテルに行くお金がなかったからとかではなく?
「じゃなくてデートの一環として公園に流れ着いて、何となくそこでいちゃいちゃし始めて『いや、こんなところで……』って言いながらドキドキしている私、みたいな。そういうの嫌いじゃないんだな、みたいな」
──それは相手から言われてやるんですか。
「そうですね。ただ、この年になってプライベートで野外プレイをやろうとするとAVみたいだなって思って、真剣に取り組めなくなっている自分がいて(笑)」
──AVの仕事をしている弊害ですね(笑)。逆に撮影のほうが野外プレイに入りこめるんじゃないですか。
「そうなの! カメラが回っているほうがエロいの。普段の私はあんまりエロくなくて、たとえば野外プレイをしても醒めている自分がいるんですよ。でも女優としてカメラが回っていると、私にはこういう一面があるんだって自分でもビックリするぐらい。『え!? 私こういうこともできるんだ』って思うことが多い」
──むしろプライベートより撮影のほうがリアルな性反応だと。
「全然リアル。プライベートはすごく淡白なの。前戯がなくて、つば付けて挿れちゃえ! って感じ」
──AVと極端に違いますね(笑)。
「そのほうが作品にエロを詰め込むことができるんですよね。プライベートのエロが充実していたら、たぶん絵面的につまらない女になっていると思う」
──二つ目のシーンはSMプレイですが、もともとMなんですよね。
「前に言ったっけ? そう。S顔だけどMなの(笑)」
──ちなみに、すごくお酒が強そうに見えるけど下戸とも仰っていました。
「そうそう(笑)」
──復帰後は役柄的にM女役も増えたから、Mのイメージも定着してきたんじゃないですか。
「確かに。でもルックスと雰囲気から、痴女役が似合うって言われることのほうが多いですね」
──プライベートで緊縛や拘束プレイの経験は?
「取り組んでいました」
──過去形ですね(笑)。
「これも今プライベートですると、亀甲縛りをしました、縛られました、フーン…で終わっちゃうんですよね。それで燃えたりしないから、プライベートで取り組まなくなっちゃったの。一応チャレンジャーなので、復帰する前に一通りは、こんなのが流行っているんだって試してみたんですけどね。そういえば昔、低温ローソクを通販で買ったら、騙されたのか『フザけんじゃねーよ!』ってぐらい普通に熱くて(笑)。しかも彼が、いきなり心臓にひとかけしたんですよ。それっきり使わなくなりました。ちゃんと心が入っていないと、ああいうプレイに取り組めないですね。でもVの時は、ちゃんと入り込めるんですよね」
──プレイに没頭している時もカメラの存在って意識するんですか。
「常にどんな風に映るか気にしています。『今、酔い痴れているでしょう私?』って言いたくなる感じ(笑)。もう一人の自分がそこにいて、『今すごいエロかったでしょう?』って感じで、いつも撮られていることは意識している。今回も事前に大まかな説明は聞いていたんですけど、細かいプレイ内容は目隠ししているので本当に分からなかったので、リアルに入りこんで泣いているシーンが撮られています」
──全身全霊で絶叫してSMプレイに入り込んでいますが、プライベートでもあそこまで派手な性反応なんですか。
「さすがに、あそこまでじゃないと思うんですけど、撮影だと解放されるんでしょうね。よくスタッフさんに『野獣だね』って言われます」
──よく分かります。
「分かりますか(笑)。確かに、いつも声が潰れるぐらい叫んでいるなぁ。でも、それは意識的にやっていないんですよ。素でぶつかっているから、もともとあったのかもしれない野獣な部分が出ているんだと思います」
──続いてオナニーシーン。あんまり普段はしないんですよね。
「そう、淡白だから今もプライベートでは滅多にオナニーはしないんです。するとしてもパンツの上からツボ押し1分でイッちゃうから。それが一番煩わしくないし、手も汚さないから衛生的なんですよ」
──どういう時にするんですか
「寝付きの悪い時とか、ふとエロいことを思い出した時にする」
──エロい気分になってオナニーすることがあっても1分ですか?
「そう。クッ! てやって、クッ! てイッて、クッ! て寝る感じ(笑)」
──リズミカルで軽快なオナニーですね(笑)。じゃあ撮影の時は長いから大変じゃないですか。
「だから尺がどれぐらいって聞くんです。私はとっても短気で、すぐにイッちゃうから、だいたい配分を決めて見せるオナニーをしています。以前、とある監督さんが『本当のオナニーを見たい』って言うので見せたんです。でも人前だから入り込めなくて、いつも通りに1分ではイケなかったんです。そしたら『まりな? 寝ているんじゃないよね?』って心配されて(笑)。それぐらい素のオナニーはエロくないの」
──続いては一転して男性を攻めていく痴女のシーンです。長時間に渡ってペッティングとフェラを繰り出していきますけど、最初から最後までエロいテンションを保っていることに感心しました。
「昔って1作品を撮るのに3日かけるのが普通で、さっきも言ったけど1週間なんてこともあって。そうするとフェラシーンだけで半日撮ったりするんですよ」
──え~! そんなに!!
「お金があったから無駄撮りですよね。どうにでも使えるように、いっぱい撮るんですよ。それに私は慣れているから、半日舐めてくださいって言われたら、『もう半日経ったんですか?』って言うぐらい舐めていると思う」
──そもそも舐めるのは好きなんですか。
「基本、Mなので奉仕するという意味で好き」
──舐め技は誰かに学んだんですか。
「よく言われるんですけど独学です。彼氏にまで言われたことがあるんですけど(笑)。誰にも技なんて教わっていなくて、もともと持っていたものが時折スペシャルで出るみたい。感性で動いているから『今のもう一回やって』って言われると、何してたっけ? みたいな。フィーリングとかシチュエーションで日々変わるので、私のテクニック1・2・3ってある訳じゃない」
──今日の松本まりなは、明日は見れないぞと(笑)。あと舌が長いですよね。
「よくエロいって誉められるし、私のチャーミングポイントって言われます。でも若い時は、モザイクで何やっているか分からないから、言われ出したのは復活してからですね」
──昔は女性側からする乳首舐めも定番プレイじゃなかったですしね。もともと痴女性は自分の中にあった性質ですか。
「どうなんだろう。ただ作品で痴女役をやると楽しいんですよ。なぜかと言うと、ふだん持っていない自分を見られるから。こんなこと私できるんだ! って思っちゃう。もしも私がリアル痴女だったら、こんなことをしてやろう! ってワクワクしちゃって、めっちゃ楽しんでいます」
──そう考えると『素人わけあり熟女生中出し080』1本で、いろんな人格の松本まりなを楽しめますね。
「私も撮られていて楽しかった1本ですね」