■カキタレ
これは完全に業界用語である。お笑い芸人が、セックスだけが目的の本命でない女性をカキタレと呼んでいる。上品な言葉とは言えないが、業界関係者っぽいニュアンスを好む人にとっては都合が良い言い回しだろう。
■ボディパートナー
数年前、筆者が知人女性に言われた言葉である。「○○君とボディパなの?」と問われた時は、その妙なオシャレ感に面喰ったものだ。この言葉は非常に使い勝手が良く、某テレビ番組で現代人の性に関するコメントを求められた際、スポンサーの関係上なのか「セックスフレンドという言葉を使ってはいけない」と指示された時に「ボディパートナー」という言葉を使って切り抜けたことがあった。
ボディではなく「セックスパートナー」という言い回しをセレクトした男性も。彼いわく、「友達ではなく本当にセックスだけの関係なのでフレンドと呼ぶのは違和感がある」とのこと。ボディパートナーだと、格闘技のペアマッチを連想してしまうのだとか。言われてみれば確かに。
女性陣からはfusion partnerという言い方も挙げられた。これまた妙なオシャレ感がある。セックスを「融合」と置き換えているのは実に巧妙。略してFPという言い方も可能。
オシャレ感を押す女性陣に対して、男性サイドからは「シンプルに『パートナー』だけで良いではないか」という意見も。あれこれ単語をくっつけるからいやらしさが増す。それよりもパートナーと言い切ったほうが潔いのかもしれない。
■サポーター
サッカーファンかと思いきやそうではない。セックスフレンドからお小遣いを受け取っているとのことだった。これまたナイスな表現である。しかし、金銭の授受がない間柄には使えないのが残念。
■PM
午後のことではない。20代の若い世代は、プレイメイトという言い方をするらしい。数年前に、浜田ブリトニーが発言したことからプチ流行の兆しを見せている。
ほか、ヤリ友・ハメ友・逢い引き要員など、様々な言い方が集まった。セックスフレンドという言葉を前面に出せないシーンにおいてご活用いただきたい。
(文=菊池美佳子)
菊池美佳子(きくち・みかこ)
1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21~29歳の間、キャバクラ嬢・テレフォンセックス嬢・企画物AV嬢としても活動。引退後、文筆業に転身。
■著書:『2010年代 ニッポンの風俗』/『つけちゃうぞ! 大人の保健体育』
『テレフォンセックス裏物語』/『Sの妹Mの彼女』