おぎやはぎ、生放送ラジオに遅刻するも愛されるワケ

※イメージ画像:「JUNKおぎやはぎのメガネびいき」公式サイトより

 30日深夜に放送されたラジオ番組『おぎやはぎのメガネぎいき』(TBSラジオ)で、メインパーソナリティの1人である矢作兼(42)がスタート時刻に間に合わないという珍事が起こった。

 相方の小木博明(42)によると、直前まで収録していた番組『クイズ☆正解は一年後』(TBS系)が長引き、ラジオの生放送入りがギリギリとなった。小木自身もブースに入ったのは番組開始の10分前で、矢作は間に合わなかったというのだ。

 しかし、収録していた番組には小木も出演していたというのに、なぜ矢作だけが間に合わなかったのか。その理由を小木は、「収録が納得いかなくて」「生放送があるから俺は抜けたけど」「矢作には残ってもらって挽回してもらおう」としたという。つまり、『クイズ☆正解は一年後』の収録で納得いく活躍ができなかった2人としては、最後にひと笑いを狙っていたが、ラジオの生放送のため退席しなければならなくなり、最終手段として矢作が番組に残り、小木がラジオに向かったというわけだ。

 ラジオの生放送に遅れ、なおかつそれをネタにしてしまうおぎやはぎ。同じ系列の局だからこそできた荒業であり、まさに彼らにしかできない芸当だ。ほかの芸人が同じことをしても、何事もなかったかのように笑うことは出来なかっただろう。

 芸能界広しといえども、ここまでいい加減でありながら憎まれず、かえって愛されるキャラクターが揃っているコンビも珍しい。特に矢作は、芸人界の狂犬といわれる極楽とんぼの加藤浩次から寵愛を受け、バナナマンの設楽統に「芸能界の永久パスポートを持っている」と称されるほど、人々から愛されるキャラクターの持ち主である。そして小木も、29日深夜に放送された『オトナの!』(TBS系)で、黒夢の清春が“憧れの人”として紹介するなど、多方面から厚い支持を受ける人柄を持っていることでも知られている。

 とはいえ、当の本人らといえば、自らゴシップ好きを公言し、下世話な話題に興じるタイプの芸人。30日の放送でも、引退発言騒動のmisonoに対して「引退ビジネス」と再び言い切り、元AKB48の板野友美について、「性格悪そう」「根が腐ってると思う」と勝手なイメージを言いたい放題。自分たちも芸能界で活動していながら、その目線はまるで普通の視聴者と同じ高さの物言いだ。しかし、そうした親近感が彼らの人気の秘密なのかもしれない。

 また、そんな彼らには芸能界からも支持されているようで、この日の放送では「綾野剛から熱烈なオファーを受けた」と矢作が語っていた。綾野が『メガネびいき』のファンで、どうしても出たいと言ってきたというのだ。今や人気ナンバーワン俳優といえる綾野も大好きだと公言するおぎやはぎ。ゴールデンタイムでのメインMCといった華やかさは感じられないが、周囲の人々から愛される2人の存在感は、近年続く芸人飽和状態のバラエティ界でも、年を追うごとに増している印象だ。こうしたことを見越して、設楽は「永久パスポートを持っている」と指摘したのだろう。今ゴールデンでメインを張っている芸人たちが10年後もテレビバラエティで活躍しているかはわからないが、きっとおぎやはぎは、今と同じくコンスタントに活躍していることだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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