今月9日のバラエティー番組収録中に起きたデヴィ夫人(73)による「平手打ち事件」。デヴィ夫人は「相手の女性は被害届を取り下げました」などと事態の鎮静化を図っているが、発売中の「週刊文春」(文藝春秋)が「被害女性A子は過去に後藤田正純代議士の不倫相手と報じられた人物」と報じ、さらには「TBSによるヤラセ」の証拠となる証言を掲載するなど、意外な展開となっている。
事件は15日に放送された『奥様はモンスター2』(TBS系)の収録中に起きた。“モンスター妻”として登場したクラブホステスのAさん(33)の挑発に激高したデヴィ夫人が、カメラが回っている最中に平手打ちを三連発。Aさんは警察に駆け込み、警察に被害届が提出された。
同誌には収録中の具体的なやり取りも記載されており、Aさんは「私もホステスやってますけど、デヴィ夫人も赤坂のお店に勤めてましたよね。どうやってインドネシア大統領夫人っていう玉の輿に乗ったんですか?」と小馬鹿にした態度でデヴィ夫人を挑発。「玉の輿に乗ったわけじゃない。あなたと違って苦労してはい上がったのよ!」と反論するデヴィ夫人に、Aさんは「じゃあ、夫人って肩書きやめたらいいのに」とトドメの一撃を加えた。これが決定打となり、デヴィ夫人は暴行に及んだという。
これは単なるAさんの暴走ではなく、事前に番組ディレクターから「やりすぎるくらいでいいから嫌な女性を演じてください」と依頼されていたと同誌は指摘。さらに「特にデヴィ夫人との絡みは面白くなるからよろしく」と、夫人をターゲットにするよう支持していたとも記されている。Aさんは一般人の出演料としては破格の20万円を受け取っていたこともあり、徹底して嫌な女を演じたようだ。
被害届提出後、担当刑事が両者に示談を勧めたが、Aさんが1億円ともいわれる大金を要求したため交渉は難航したという。結局は200万円で示談が成立したが、金額が下がったとはいえ、あのデヴィ夫人が「金目当て」ともいえる要求を素直にのんだのは驚きだ。これはAさんがデヴィ夫人を上回る“ヤリ手”だったことが関係しているようである。
3年前、女優・水野真紀の夫で衆院議員の後藤田正純氏の不倫疑惑が報じられたが、同誌によると、この不倫相手とされた高級クラブのホステスがAさんだというのだ。
「濃厚なキス現場と議員宿舎への“お持ち帰り”が報じられ、誠実なイメージがあった後藤田氏にとっては非常に痛い騒動になった。一部では、後藤田氏が『アナルセックス好き』であるなどといった詳細な情報まで流れていました。一方、Aさんは騒動をきっかけに名を上げ、高級クラブを渡り歩く売れっ子ホステスになった。一部では、Aさんが後藤田氏のネームバリューを利用したのではないかともいわれています。国会議員を手玉に取るような女性であれば、トラブルになればなるほど彼女のペースになってしまいますから、デヴィ夫人の迫力も通じない」(週刊誌記者)
番組関係者はAさんの素性を知らなかったともいわれているが、とんでもない人物を「一般人」としてキャスティングしたものである。
「さすがのデヴィ夫人も殴った相手が悪かったと思ったのでしょう。自身のブログで相手をかばうかのような発言を繰り返し、その代わりに共演した西川史子に矛先を向けた。これは完全にマスコミの目をそらすための作戦。示談をできるだけ穏便に済ませたかったデヴィ夫人の心境の表れともいえます」(週刊誌記者)
また、同誌はTBSのヤラセ疑惑にも切り込んでいる。番組では、Aさんの夫とされる男性も出演していたが、この二人は過去に交際していた時期があったものの現在は別れており、婚姻関係にないという。だが、事前の打ち合わせでディレクターが「問題ない」とし、夫婦という設定で出演することになったという。このディレクターは騒動後に「私は煽ってませんよね?」とAさんにトラブルの隠蔽を持ちかけたといい、TBS側が示談金200万円の一部を負担したとの情報もある。これが事実であれば、ヤラセ演出を指示しておきながら騒動後に知らぬ存ぜぬを通している局側の責任も重いといえるだろう。
今回のトラブルでは、挑発に乗って暴行事件を起こしたデヴィ夫人、ヤラセ疑惑が露見したTBS、とばっちりを食った西川と皆が損ばかりしている。どうやら、得をしたのは平手打ち3発で示談金200万円をゲットしたAさんだけのようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)