昨年大みそかの「第64回NHK紅白歌合戦」の平均視聴率が発表され、夜9時からの第2部が44.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)の高視聴率を記録したことが分かった。今年話題となったドラマ『半沢直樹』(TBS系)最終回の42.2%を上回って年間最高を達成し、紅白過去10年で最高の数字を記録。連続テレビ小説『あまちゃん』メンバーが集結した特別コーナーや、北島三郎の紅白ラスト唱など豊富な話題が功を奏したようだが、最大の貢献者は紅組司会の綾瀬はるか(28)だったと業界内ではもっぱらだ。
綾瀬の天然ぶりが炸裂しまくった紅白だった。いきなり出だしで「NHKホールが生きてるみたいですね」と珍言を放つと、トップバッターの浜崎あゆみの曲紹介の際にはセリフを忘れて「はい、はい…」と止まってしまった。さらに、NMB48のグループ名と「初出場」という言葉がうまく言えず、何度も噛みまくり。miwaの歌唱前には美輪明宏に「同じ名前の美輪さん、いかがですか?」と質問するも、美輪が「BRAVA DIVA MIWA(素晴らしい歌姫、ミワ)」と外国語でコメントすると、その意味も説明させずに「それでは」とバッサリ曲紹介に移行。伍代夏子の歌唱の際には、審査員を務める夫の杉良太郎に「いかがですか?」と歌唱前、歌唱後の二度にわたってコメントを求め、杉を困惑させた。
極めつけは、特別企画で東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」を熱唱したコーナー。歌唱前から大粒の涙を流し、復興への思いから号泣したのだと察して場内は感動に包まれたが、当の綾瀬は「すいません、わけもわからず泣いてしまって」と発言。もちろん被災地への思いを込めて泣いたはずだったのだろうが、それを全く表現できずに出演者や視聴者をズッコケさせた。この号泣シーンによって時間がなくなったのか、直後の鉄拳のネタがカットされるという珍事も起きている。
ネットでは「放送事故級」といわれる天然司会だったが、白組司会の嵐の見事なフォローもあり、それでも場内は和やかな笑いに包まれていた。この評価は会場だけでなく、ネットメディアの「紅白で一番『良かった』出演者」アンケートでも綾瀬が断トツの1位に。多くの視聴者は綾瀬の天然ぶりにドキドキしながら、優しく進行を見守っていたようだ。
その一方で、女性を中心にした一部視聴者からは以下のような批判も起きている。
「お金もらってるプロなんだから、天然だからで許されるものじゃない」
「噛み過ぎ。正直、イラっとした」
「フォローする嵐が可哀想だった。二度と司会しないでください」
「可愛かったら何でも許されるの?」
「あの司会はないわ。美人じゃなかったら炎上ものでしょ」
こういった批判がありながらも、昨年の紅白で業界や視聴者の間で最も評価が高く、過去10年で最高の視聴率までゲットしてしまった綾瀬。そこまで彼女が好かれる理由はどこにあるのだろうか。
「紅白はタイムスケジュールが非常に厳しいことで知られており、例年の舞台裏はギスギスした雰囲気になる。歌手が少し持ち時間をオーバーしただけでも大モメすることになる。しかし、今年は綾瀬がトチって時間が若干狂っても、笑いこそ起きたものの雰囲気が悪くなることは一切なく、終始和やかに進みました。彼女の天然パワーのたまものといえるでしょう。これは紅白だけでなく、綾瀬が出演したドラマや映画の現場でも同じ現象が起きている。彼女の天然ぶりには裏表が感じられず、スタッフや出演者は支えてあげたくなるんですよ。天然でトチって現場がフォローに回ることがあっても『綾瀬さんの笑顔を見れば疲れが吹き飛ぶ』なんてスタッフもいます。彼女は天然で美人で巨乳という三拍子そろった無敵の存在ですね」(芸能関係者)
スタッフからも絶大な支持を得ている綾瀬だが、主演した大河ドラマ『八重の桜』が年間平均視聴率14.6%(同)と低空飛行のまま終わってしまったのは痛い。だが、それすらも綾瀬の人気には影響がないとの声もある。
「大河の視聴率が低調だった最中でも、彼女は『タレント好感度ランキング』の女性部門で3年連続首位を守りました。ドラマの視聴率は好感度に大した影響がないことが証明されたといえるでしょう。大河の現場でも『綾瀬さんの魅力を十分に伝えきれなかった』との反省こそあれ、綾瀬を責める声は全く上がっていなかった。今後もドラマ起用は減らないでしょうし、好感度さえ落ちなければ最も実入りのいいCM仕事も増える一方でしょうから、今後も順風満帆。大河出演と紅白の司会によって、オジサン世代の重役が決定権を持っているスポンサー受けも今まで以上によくなるでしょう」(前同)
ここまで業界人や視聴者に愛されている女優も珍しい。トチっても天然ボケをかましても全てが好感度につながってしまうのだから、一部の女性視聴者が嫉妬してしまうのも仕方ないのかも…?
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)