元AKB48の前田敦子(22)のソロ4枚目シングル「セブンスコード」が、来年3月5日にリリースされる事が決定した。先日、第8回ローマ国際映画祭で2冠を獲得した前田主演の映画『Seventh Code』(黒沢清監督)が同作のミュージックビデオとして制作されたことも明らかになり、話題性は過去最高。初のロックチューンである同作は、前田が初出演する年末恒例のロックフェス『COUNTDOWN JAPAN 13/14』(出演日:12月28日)でお披露目されることになっている。
ファンの期待が高まる一方、前田が『COUNTDOWN JAPAN』(以下、CDJ)に出演することに一部から以下のような反発の声も上がっている。
「あまりにも場違いすぎるだろ」
「あの歌唱力でよくロックフェスに…」
「ロック路線で売るのって無理ない?」
「マジでアイドルいらない」
今年のCDJは前田以外にも、東京女子流、℃-ute、BABYMETAL、中川翔子らアイドル勢が出演する。しかし、新曲初披露の場ということでメディア報道が集中したこともあり、前田が批判を浴びやすくなっているようだ。また、現在は28~31日まで全4日間のチケットがソールドアウトしているが、当初は28日分の売れ行きが鈍かったため、原因は前田ではないかともささやかれた。
バックを務めるミュージシャンが豪華すぎることも、逆に反感を買ってしまっている。当日の前田のライブでは、頭脳警察のメンバーでもあるThe Grooversの藤井一彦がギター、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの元メンバーでthe HIATUSのウエノコウジがベース、スリーピースバンド・GREAT3の白根賢一がドラム、GRAPEVINEのサポートメンバー・高野勲がキーボードで参加する。
これに対して、ロックファンからは「こういうのに手を出してほしくない人ばっかり…」「なんで前田敦子のサポートなんかしてるの」「このメンバーでボーカル代えてバンド組めば」などといった辛辣な声も上がっている。
アイドルのロックフェス出場に関しては、以前から音楽ファンの間で賛否両論があった。一昨年、老舗アイドルグループ・制服向上委員会が「フジロック・フェスティバル」への出演が決定していながらスポンサーの反対で中止にさせられたと主張した騒動では、同グループの“狂言”を疑ったロックファンから「歌が下手なアイドルがロックフェスに呼ばれるわけがない」との心ない言葉も浴びせられた。また、ももいろクローバーZが今年5月に「OZZFEST JAPAN」に急遽出演した際には、ももクロ目当てのファンが殺到してチケットが入手困難になり、一部ロックファンのひんしゅくを買っている。
ロックミュージシャンの中には、ももクロを評価する布袋寅泰、B’zの稲葉浩志、マキシマム ザ ホルモン、先日「AKB劇場に行ってみたい」と発言したX JAPANのYOSHIKIなど、アイドルに理解を示している者も多い。しかし、音楽ファンの中にはアイドルのフェス出演に拒否反応を示す人々が少なくないようだ。
「今年のオリコンのトータルセールスランキングでは、嵐、AKB48、ももクロ、関ジャニ∞とアイドル勢が上位を独占し、アーティスト系は3位にB’zがランクインしたのみ。シングルやアルバムの売上も、上位はアイドルばかりです。現在のメジャー音楽シーンは、アイドルが回しているといっても過言ではない。フェス主催者側としては、これを完全に無視するというのは動員の面からも得策ではありません。音楽界の現状が反映されるのは仕方ないことだと、ファンもある程度は容認しなければいけないのかもしれませんね」(音楽関係者)
アイドルであろうとなかろうと大事なのは肩書きではなく、どれだけのパフォーマンスを見せられるかだ。音楽ファンを納得させるような歌を披露することができれば、彼らも受け入れざるをえなくなるだろう。果たして、前田は批判を跳ね返すほどの「ロック」を見せられるのか、注目したい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)