CDの年間売り上げのトップ4を独占し、まだまだ人気の衰えないAKBグループだが、ここのところ話題になっているのはメンバー内の格差問題や島崎遥香(19)の手紙書き換え騒動など、ネガティブなものが目に付く。一部報道では、「2013タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター調べ)での凋落ぶりから、業界内影響力の低下を見る向きもあり、磐石と思われたAKB人気にもかげりが見え始めたと指摘する声もある。とはいえ、テレビをつければAKBグループの誰かしらが目に付くのも事実。果たして人気は下降しているのだろうか。
「正直に言って、バラエティ番組などでのAKBグループの子たちは微妙な存在ですよね。特に大所帯の番組になると積極的に喋れるほどトークのスキルがあるわけではありませんし、かといってメインゲストとして呼ぶにはまだまだ1人1人は小粒ですからね。とはいえ、彼女たちにはファンという強い味方がいるのも事実ですから、ゲストとして出演してもらえば、それなりの数字を見込めるというわけです。番組としては、お飾りのような存在になってしまうのを承知で呼んでいるというのが現状だと思いますよ。もちろん中には積極的に発言して、注目を集めるような子もいますが、多くはまだまだこれからといった感じでしょう。問題は、いったいいつまで番組に呼ばれ続けられるかということですよね。人気がなくなる前に力をつけなければバラエティで生き残ることはできないのではないでしょうか」(バラエティ番組放送作家)
この放送作家が言うように、たとえば17日に放送された『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)にはNMB48の山本彩(20)が出演していたが、冒頭に小島瑠璃子(19)と軽く絡んだトークを見せただけで、後はほとんど何も喋らず番組は終了してしまった。そもそもこの日の企画が「サンタ姿で女子会SP」で、トークテーマが「思わず泣けてくるクリスマス」だったことに無理はあったのだろうが(恋愛禁止を謳うAKBグループで過去とはいえ恋愛トークは難しいだろう)、ただサンタのコスプレをして座っていただけではタレントとしての存在価値に疑問が残る。
しかも隣には顔が似ていると評判のコジルリがいて、スタッフのキャスティングミスではないかと勘ぐってしまう。しかし、一方の小島は、ことあるごとに他人のエピソードに感想を述べたり、リアクションをしたりと、しっかりとその存在感をアピールしていた。そのせいもあって山本の影が薄くなったが、バラエティで活躍するにはコジルリほどの積極性があってしかるべきだろう。
もちろん大所帯のAKBグループの中にはバラエティで活躍していこうというタイプと、そうでないタイプがいるに違いない。それぞれの向き不向きもあるだろう。しかし、まだまだ一般のレベルではテレビがもっとも大きなメディアである。そこをないがしろにしてしまっては、今後の活動にも支障が出ることだろう。やはり、バラエティでしっかりと結果を残すことが重要になってくる。だが、前出の関係者が言うように、今は人気があって、それゆえバラエティに出演できているが、やがて新たなアイドルが注目を集めるようになれば、声がかからなくなるに違いない。そうなったときのためにも、今しっかりとしたバラエティのスキルを身につけておくのは彼女たちにとって重要だ。それが出来る今のうちに積極的な姿勢をとるべきだろう。不要と言われる前に、欠かせない存在になれるかどうかが、これからのAKBグループに問われている。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)