テレビ番組打ち切り“5つの予兆”とは 迷走期にやりがちな悪あがき

※イメージ画像 photo by skippyjon from flickr

 「時代の寵児」であったダウンタウン、とんねるずもここ数年は低迷し、冠番組も打ち切り危機にあると言われている。そんな中業界には、実行すれば一度は数字が上がる(継続は難しいが…)、迷走期につい手を出してしまう禁断の「カンフル剤」的な企画があるという。そこで今回は、制作会社のディレクターに聞いた「手を出してしまった企画ベスト5」を発表したい。これらを参考にすれば、打ち切り前の予兆を知ることができるかもしれない。

第5位「モノマネ」
「完成されたエンターテイメントを見せるという、実に姑息な手段ですが、チャンネルを替えさせないためにはやむを得ない。スタジオでそれを見てMCもやってみたり」

 他人のふんどしで視聴率を取ろうなんて、いかにも無個性だが、テレビとはこういうものかもしれないとも思う。ただモノマネ番組はいいとしても、番組のモノマネはしないでほしい。

第4位「占い」
「スピリチュアルブームが沈静化した今は減りましたが、一時期はとにかく占い師を出してました。新しい占い師のリサーチを躍起になってやってましたね。他には、地球滅亡のマヤの予言、全人類の過去や未来が記されているというアカシックレコード、さらには心霊といった恐怖体験ものなど、追い詰められるととにかくオカルトものに流れていきます。少しは数字が上がるんです」

 終焉間際の番組でなくても、確かに様々な番組に新たな占い師が現れては消えていった。だが今は『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)や『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)など専門家の意見が好まれているようでもある。世間も「占い」の不確かさに気づいたか。

第3位「海外のおデブちゃん」
「とにかくインパクトのあるモノ。巨大なものに一瞬チャンネルを替える手が止まる」

 そう言えば『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)でバスタブにハマって抜けなくなった海外のおデブちゃんを定期的に見る。「仰天」も最近視聴率が低いらしい。今後は毎週おデブちゃんが登場したりして(笑)。

第2位「とにかく芸能人頼り」
「最初は一般参加の番組だったのが、数字が低くなると、どうしても有名人に頼る企画にシフトする傾向があります。有名人が対決したり、人生相談したり、本人役で再現に出てもらったり、トークするなど…。また、数字が良かったときにたまたま出た芸能人を起用し続けることもある」

 企画変更せざるを得ない事情も分かるが、それならどうして最初から芸能人だけの企画にしないのだろうか? とも思ってしまう。それでは企画が通過しないのも分かるが…。

第1位「グルメ」
「今までグルメとは無縁の番組でグルメに手を出したら、それは視聴率が下がっている証拠。とにかく美味しいモノを出して何とかつなぎとめようという悪あがきです」と語るのは別の制作会社ディレクター。

 そういえば、ダウンタウンの『爆笑!大日本アカン警察』(フジテレビ系)も末期は「アカン飯」というグルメ企画をやっていた。それ自体がアカンかったのか。

 そのほかに番外として、クイズ企画をやりがちになったり、「やたらと“SP”や“スペシャル”をつけたがる」というのも。これはどういうことなのだろうか?

「つまりは、くくりです。スペシャルと銘打つと、少し華やかになる。気分だけですが。1つのテーマにしぼって放送することで、見やすくするというのもあります」

 現場では大変なのだろうと思いつつ、聞けば聞くほど企画力が落ちている気も。いずれにせよ、迷走している番組が点滅させる5つのカラータイマー。あなたも見つけてみては?
(文=今井良介)

men'sオススメ記事

men's人気記事ランキング

men's特選アーカイブ