18日深夜に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)に、衆議院議員・東国原英夫(56)が出演。番組冒頭、共演者の松本人志(50)から、「ヤフーニュースにもすぐ載る」と言われると、東国原氏は及び腰の態度を見せたが、番組が始まると舌鋒鋭く所属する日本維新の会の現状について語り、参議院議員の山本太郎騒動には怒りを爆発させた。
冒頭、「ワイドショーに取り上げられることはよくあるが、コメンテーターのようなことはあまりない」と自虐的な挨拶をした東国原氏。さっそく同じ党に所属するアントニオ猪木参議院議員の訪朝騒動について意見を求められると、「一番触れたくない事象」と困惑した顔を見せ、現状説明で話を終わらせようと模索。しかし、そこは深夜のワイドショー、松本に「東さんがどう思っているかを聞きたいんですよ」と率直に言われると渋々ながら東国原氏は口を開いた。
そもそも「なぜ(猪木氏が)維新を選んだのか、それが問題」と切り出す東国原氏。選挙に出馬する際の会見で、そのことに何も触れていないのが問題だと指摘する。とはいえ、猪木氏には国会議員としての実績もあるし、今回の訪朝が拉致問題の解決の糸口になる可能性もあるから「(対応や処分は)慎重になってしまう」とコメントした。そして、何よりも問われているのは「党内での対応」と言いながら、それについては「わかりません」と東国原氏はとぼけた表情を見せていた。
その後、維新の会の支持率が1.9%しかないという東国原氏は、それをテレビ番組の視聴率にたとえ、「もう打ち切りですよ!」と声を上げる。もちろん東国原氏は、テレビ番組だったらという前置きをしていたが、専門家として出演していた政治ジャーナリストの後藤謙次氏は、「これは重大発言ですね」とツッコんでいた。これに対して東国原氏は、直近の選挙で負け続けているので、「執行部の入れ替えをしなければならないと要望したが、全部もみ消された」と言い、いくら進言しても党が動かないと嘆いていた。原発問題にしろ北朝鮮への対応にしろ党内は一枚岩ではないと言い、「初心にかえるべきだ」と訴える。
また、山本太郎騒動について「ルールを無視した行動」であると怒りを爆発させた東国原氏。県知事時代に陛下に謁見したことがあるという東国原氏は、その際、テレビ収録の直後だったため雨の影響で頭皮に塗っていたメイクが落ちてきてしまい、大変な失礼をしてしまったというエピソードを披露。山本騒動では、天皇陛下の政治利用やただのパフォーマンスという批判があるが、「陛下に自ら声をかけるなど、人間として日本人としてあるまじき行為」だと糾弾していた。
今やすっかり政治家としてのイメージが定着した東国原氏。しかし、そのトークは、ときおり松本が「すべらない話はいらないですから」と言うほど、流暢で芸人顔負けの面白いものだった。もちろん元芸人の彼の弁が立つのは不思議ではないが、“そのまんま東”といえば、どちらかというと体を張った芸風を得意としていた印象がある。どうやら東国原氏は、政治家になってトーク力を磨いたようである。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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