今もっとも勢いのある芸人といえるオアシズの大久保佳代子(42)が7日、昨年放送された際に大きな反響を呼んだ「下ネタ大好き芸人」第2弾の一員として『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に出演した。
同番組の中でも問題作の1つと言われている下ネタ大好き芸人。簡単に説明すると、芸人たちがテレビで心置きなく下ネタを連発するという内容なのだが、放送倫理の厳しい今の時代にあって、なかなか挑戦的な企画であることは間違いない。もちろん出演者が芸人であるため、そこに笑いはあるものの、かなり際どい発言も多く、一歩間違えればお蔵入りということもあるだろう。しかし、それゆえ芸人の腕の見せ所ともいえるのが同企画の面白さ。そんな内容の番組で、ひときわ輝いていたのが大久保だった。
この日、大久保は黒のミニスカワンピースと黒ストッキングという格好で登場し、冒頭から独特のエロス全開。そして、番組の前半のトークでいきなり「ノーパン宣言」をすると、周囲の芸人たちをも驚かす。大久保曰く、下ネタを言うときは自分のテンションが大事なようで、「ノーパンでコンディションを上げる」という。そうしないと、自分自身が下ネタに乗れないというのだ。そして、この日の収録も、ノーパンで挑んでいるというわけだ。
“日常でエロスを感じるもの”というトークテーマに、大久保は「マンU」「巨泉さん」とフリップで答え、他の出演芸人たちを圧倒する解答を連発。(こうして字面にすると、面白さを伝えるのは難しいが、確かに大久保が一番ウケていた)また、前回放送された下ネタ大好き芸人による街ぶらロケのVTRは、今回も引き続き大久保が担当。二子玉川に赴き、店先のいなり寿司を「染みちゃって」「パンパン」といじり、立ち寄ったゴルフレッスンでは体全体でエロスを表現するなど、以前にも増して過激な模様が放送された。
また番組の後半では、第1弾でも好評だった「下ネタ俳句」が放送され、ここでも大久保節は健在だった。前回の放送で「初霜を 溶かしておくれ 黒地蔵」という名作を残している大久保。そんな彼女には今回も大きな期待が寄せられていた。だが、これだけインパクトの強いものを越えることはなかなか難しい。企画そのものに新鮮さがあった昨年に比べ、今回は視聴者に免疫がある。大久保独特のエロスも、近頃では多くの視聴者にとって見慣れたものになっていることだろう。だが大久保は、そんなことなどものともせず、「小豆かと いじくりたおし 大豆かな」と、名作「黒地蔵」に負けず劣らずの俳句を披露。見事このコーナーのラストを飾る作品を詠んだ。
ただエロいというだけでなく、ボキャブラリー豊富にトークを展開する大久保。そんな彼女は、時に他の出演陣を圧倒するほどの笑いを生み出していく。さらに今回の放送では大喜利のセンスの良さも際立っていた。エロさや身を削った姿が人気の大久保だが、やはりその根底には“笑い”という地力があるのだ。だから彼女のエロトークは、どんなに際どいことを言っても笑いから踏み外れない。男女問わず彼女が支持されているのは、決して脱線しないという安心感があるからだろう。しばらく大久保の人気は続きそうだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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