『笑っていいとも!』(フジテレビ系)がついに終了する。発表があったのは22日の番組終了間際のこと。同番組の木曜レギュラーを務める笑福亭鶴瓶(61)が突如登場し「『いいとも』終わるってホンマ?」と尋ねると、司会のタモリ(68)の口から「来年の3月で『いいとも』終わります」と発言が飛び出したのだった。その場にいたSMAPの中居正広(41)も驚いた表情を見せ、「正式なことですか?」と念を押すように聞いていたが、タモリは「正式なことです」と淡々と応えていた。
あまりにも突然でアッサリとした番組終了発表。タモリらしいといえばタモリらしいが、かねてより番組終了の噂がありながら32年間続いてきた超長寿番組の終了宣言は、業界内外に大きな波紋を広げている。
「確かに突然の発表には驚きましたね。視聴者にとっては大きなサプライズとなったことでしょう。しかし、鶴瓶さんの登場や後継番組の最有力MC候補と言われている中居さんがいる曜日での発表ということは計算されてのことだと思います。タモリさんとすれば、番組終了の発表を大げさにしたくないと考えながらも、いろいろと気を使ってのタイミングだったのではないでしょうか。それが火曜日の放送終了間際だったというわけです。後継番組に関してはまだわかりませんが、中居さんメインの番組が最有力だと、今回の件でそれがはっきり内外に示されたと言ってもいいのではないでしょうか」(業界関係者)
ネット上でも大いに話題となっている『いいとも』の終了。タモリの発言から間もなく、2ちゃんねるにはいくつもの「いいとも終了」関連スレッドが立ち上がり、終了の理由を考察するものや後継番組についても多くのコメントが寄せられている。その内容や発言はさまざまだが、多くのスレで見かけるのは、「タモさん、お疲れさま」という言葉。32年間、平日の昼間に生放送を続けてきたタモリをねぎらい、「これで旅行に行けるね」「ブラタモリの海外版が見たい」などと今後の活躍を期待するコメントが寄せられていた。フジテレビや『いいとも』に対しては厳しい意見が見られたが、タモリ本人へは温かい声援が多いようである。
「32年間続いた生放送というのも圧巻ですが、その歴代のレギュラー陣は日本のテレビバラエティ史そのものといえる豪華メンバーですからね。そんな番組が終了するのですから、これだけ話題になるのは当然のことだと思います。そして、半年を残しての終了発表というのはとてもうまいやり方だと思いますね。終了宣言以降は大いに注目を集めるでしょうし、年末の特番などにも常に“ラストいいとも”というコピーがつきますからね。否が応でも盛り上がりますよ。芸能界に限らず各界からの応援もあるでしょうし、低迷するフジテレビとすれば起爆剤が半年続くようなものです。そして番組の最後はビートたけしさんや明石家さんまさんとタモリさんというビッグ3そろい踏みのテレフォンショッキングで締めるなんていう企画があるかもしれませんね。そこまで豪華にしないとこの番組の最後は飾れないでしょうから。それだけ『いいとも』というのが偉大な番組だということです」(バラエティ番組放送作家)
日本のテレビ史に燦然と輝く業績を残した『笑っていいとも!』。しかし、その偉業におごることなく32年間司会を務めたタモリは、淡々と番組の終了を発表した。今後、終了までの半年間は、局総出でこれまでにない盛り上がりを演出することになるだろうが、それでもタモリは変わらずに飄々と司会を続けることだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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