「視聴率女王」「視聴率男」…数字が獲れるタレントのことをこう呼ぶ。最近では前者で言えば米倉涼子、後者は堺雅人といったところだろうか。だが一方でこの業界では、画面に映った瞬間に数字が落ちると言われる、「逆・視聴率タレント」が存在するという。
そんなありがたくないレッテルを貼られている芸能人は本当にいるのか、放送作家歴20年の関係者に聞いてみた。
「いますよ。と言っても、自分たちが担当している番組の中の経験則だけですが。ただ『確かにアイツが出ると…』というのは、います。どこの番組に行っても同じ名前が少なからず挙がります」
ズバリ誰か聞いてみた。
「最近では鈴木奈々と芹那ですね。『可愛い』という人と『声がイヤ』『イタい』という人と好き嫌いがはっきり分かれますがね。ひな壇トークのときは他のゲストがいるからごまかすことができるのですが、彼女個人をフィーチャーし始めると途端に数字に影響してきます」
ただこれも、司会や他の出演者のイジりや絡み次第で逆に面白くなる可能性も秘めている…ということを「救い」として付け加えておこう。さらに意外な人物の名前が挙がってきた。
「美奈子ですね。ビッグダディの元妻です。書いた本がベストセラーとなって期待値が大きかっただけに、テレビに出た際、上がるどころかグラフが落ちたときのショックは大きかったですね。やはりビッグダディという金看板がないとタダの人ですから。彼女に残された道は再婚しかありませんね」と手厳しい。
さらに、「玉置浩二さんですね。特にここ数年はプライベートでいろいろありましたよね。薬師丸ひろ子さんとの離婚だの石原真理さん(旧・真理子)へのDVだの言われる頃から如実に数字に表れてきました。キャラでエロを売りにするのはオアシズの大久保佳代子さんのように好感度につながりますが、あそこまで執拗に妻の青田典子さんとのラブラブな姿を見せつけられると拒否反応が起こるのかもしれません。青田さんだけ出て、旦那の話をするくらいがちょうどいい。あとはチラッと自宅のプライベートビデオに映るとか」
確かに今や単なる「エロ夫婦」という“くくられ方”しかされない2人。それにしても若い視聴者には「安全地帯の…」と言っても通じないのかもしれない。ワインレッドも遠くなりにけり、である。
他には、未だ不倫騒動が尾を引きずっている麻木久仁子や、動物だと「ヘビ」という話も出た。どうやら「ヘビには数字がない」らしい(笑)。ちなみに、ここ最近、逆・視聴率タレントを無事卒業した人もいるという。
「漫画家の蛭子能収さんですね。テレビ東京の『ローカル路線バスの旅』で息を吹き返して、引く手あまたです。彼はいま66歳。年齢が、もともと持っていた気持ち悪さに追いついてきた感じがします。一時期は文化人枠なのにギャラが高い上に、しかも数字がない、と散々でした」
さて、テレビに映ったら消す、あなたにとっての、逆視聴率タレントは誰だろうか?
(文=今井良介)