「庵野さんがイヤでね…」東野幸治・松本人志、ジブリに物申す

※イメージ画像:フジテレビ系『ワイドナショー』番組紹介サイトより

 14日深夜からレギュラー放送をスタートした『ワイドナショー』(フジテレビ系)に松本人志(50)が出演。司会を務める東野幸治(46)らと声をそろえてアニメ映画の吹き替えは声優に任せたほうがいいと力説した。

 普段、ワイドショーのネタになる側である芸能人が、ワイドショーを届けるというテーマのこの番組。先日放送されたスタート直前のスペシャル版では、不倫スキャンダルの渦中にある矢口真里に対して、松本が「キャラ変更」を勧めるなど、独自の視点で芸能ニュースを切っていた。今回の放送でも、次男が窃盗容疑で逮捕されたみのもんたの件に触れ、情報番組への出演を自粛しているみのに対し、松本は「(同じような事件が起きた際に)芸能人の親の立場で意見が言えるなら(情報番組も)出てもいい」と持論を展開。しかし、もし自分が同じ立場になったら、「無理。後ろめたさに勝てない」と、わが子が事件を起こしたら芸能活動などできないとした。

 その後、番組ではこの秋に放送される予定のドラマ版『ハクション大魔王』(フジテレビ系)について語られ、アニメの実写化問題について、松本が「オリジナルがどんどんなくなる」と発言。そして、「話はそれるけど」と前置きし、松本が「アニメの吹き替えは声優さんにやってほしい」と言うと、それに便乗して東野が「映画『風立ちぬ』の庵野さんがイヤで…」と漏らしたのだった。

 「劇中にキスシーンがあるんですけど、“チュ”の音がだんだんでかくなって…」「庵野さんがキスしてるなんて考えられないんですよ」と、スタジオジブリ最新作『風立ちぬ』の主演声優が気に入らない理由を語る東野。この発言に対しては松本も同意見のようで、有名人が声優をやると、その人物の顔がちらつき作品に集中できないとうなずいていた。

 「あれが声優さんなら気にならない」「せっかくプロの声優さんがいるんだから、その人たちに任せたほうがいい」とアニメの吹き替えについて持論を展開する松本。対して、プロの声優を使わないことで有名なのがジブリである。ジブリがプロの声優を使わないことについて詳しい理由はわからないが、それは宣伝目的や観客動員という集客能力のほかに、作品の世界観を大事にしたいという理由があるのではないだろうか。アニメ声優独特の口調や言い回しはジブリ作品には似合わないということなのだろう。

 つまりジブリは声優が誰という問題より作品をどう良くするかという点に集中している。そしてそれは映画『さや侍』で主役に素人のオッサンを抜擢した松本の考えに似ているのではないだろうか。どんな有名人だろうが、すばらしい役者だろうが、作品にとって合う合わないというものはある。そしてそのイメージというのは監督にとっては強いものだろう。時に見ている側には理解できないということもあるに違いない。

 今回、松本はアニメの吹き替え問題について声優を使うべきとの持論を展開していたが、それはきっと彼が言っていたように“ダブルネーム”で単に客集めとして起用されるだけのタレントに対してのことだろう。賛否はあるだろうが、素人だろうがタレントだろうが、作品の世界観を表現するためのこだわりの声優抜擢となれば、松本も同意するに違いない。素人のオッサンを主役に起用した松本なら、ジブリのこだわりもわかっているはずだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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