16日深夜、何かと話題を呼んだ情報バラエティ『10匹のコブタちゃん~ヤセガマンしないTV~』(フジテレビ系)が最終回を迎えた。森三中、柳原可奈子、渡辺直美といった面々が、ヤセガマンをしないで言いたい放題やりたい放題の内容を放送していた同番組。最終回も、これまで同様、最高級肉を食べ漁ったりバースデーケーキをもらったりと、わがまま放題の内容となっていた。
そんな中、森三中の村上が「こんなに言いたいことが言える番組はなかった」と発言すると、黒沢も便乗して、「24時間テレビでは言えない事もいっぱい言えるでしょ」と大島に話題を提供。2人から話を振られた大島はなぜか顔を伏せて苦笑い。今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)ではチャリティマラソンランナーという大役を担い、見事に完走して成し遂げたにもかかわらず、不満なあり気な表情を見せている。そして、ついには「もう二度と走んねえぞ!」と叫んだのだった。
よほど走るのが辛かったのか、それとも何か別の理由があるのか、それはわからないが、とにかく大島にとってチャリティマラソンは叫ばなければ気が済まないような出来事だった模様。その後、大島は番組の中で、マラソンのために我慢していたという“オネザ”(寝る前に食べる夜食)としてカルビ乗せビビンバを頬張っていたので、マラソンのトレーニングよりも食事制限というものに大きな負担を感じていたのかもしれない。88kgあった体重が70㎏代前半にまで落ちたのだから、相当の我慢をしたのだろう。
「森三中さんといえば、食レポなど、食べる事が仕事といっても過言ではないですからね。そんな中で、1人だけ指をくわえているというのは辛いと思いますよ。実際に『そうだ旅(どっか)に行こう。』(テレビ東京系)では、肉や魚介を食べつくす村上さんを恨めしそうに見つめていましたね。また、そうした自分の努力にもかかわらず、ゴール後にはネット上で“徒歩9時間騒動”や“24時間歩いて1,000万円”などと、まるで揶揄するかのような声が上がりましたからね。大島さん自身もこうした声は耳にしていると思いますから、『あれだけがんばって走ったのに、そりゃないよ』といった気分なのではないでしょうかね」(業界関係者)
予定時間をオーバーしてのゴールは、裏番組で高視聴率を連発しているドラマ『半沢直樹』(TBS系)潰しかとも言われた今年のチャリティマラソン。実際のところは不明だが、まるで歩いているかのような大島に対して、そうした批判が出るのは仕方のないことだろう。そうした批判に対して、大島が「二度と走んねえぞ!」と叫んだのかどうかはわからない。しかし、その叫び声には強い憤りを感じた。きっと誰かに嫌味のように、「24時間歩いてるだけで1,000万円なんて羨ましいわ。それも時間内じゃなくていいんですから。私なら何時間でも歩いちゃう」などと言われたのではないだろうか。だからこそ大島はあれだけ大きな声で叫んだに違いない。
とはいえ、キレ芸というのは大島の得意技でもある。かつて同番組の中で、キングコングの西野亮廣の発言に対しキレて、ネットを中心に大きな話題となったことがある。そんな大島であるから、今回の発言も、ある種のギャグともいえるだろう。
どこまでが本気でどこからがギャグなのかという線引きが難しいところに彼女のキレ芸の面白さがある。西野のケースはかなり本気度が高かったように思うが、彼女が芸人ということを踏まえ、大島VS西野の騒動が南海キャンディーズの山里亮太の刈り上げで収まったということを考えればすべてギャグだったともいえる。今回の発言の真意はわからないが、ともかく、そんな彼女のキレ芸が盛んに披露されていた番組の終了が惜しまれる。言いたい放題やりたい放題のバラエティというのは、今の時代なかなか受け入れられないのだろうか。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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