元“萌え系アイドル”まさかの「全裸ミュージック・ビデオ」! レディー・ガガに憧れて!?

※イメージ画像:『Can’t Be Tamed MINI DVD』マイリー・サイラス/エイベックス・マーケティング

 ここ数週間にわたって、とある海外セレブ女優の奇行に全米が騒然としている。

 その「とある女優」は、8月25日に開かれたMTVビデオ・ミュージック・アワードの授賞式で、ストリップまがいの扇情ダンスを披露。共演する男性ミュージシャンの股間にヒップを密着させた状態で、激しく腰を振りながら、恍惚の表情を大観衆とテレビカメラに見せつけた。「腰振りダンス騒動」からわずか2週間後の9月10日に公開された新曲「レッキング・ボール」のミュージック・ビデオでは、なんと全裸を披露。かろうじて乳首・局部だけは映さなかったものの、身の丈ほどもある巨大鉄球を天井から吊り下げる鉄の鎖に、一糸まとわぬ姿ですがりつき、これまた激しく腰をくねらせている。見ようによっては、鎖の一部がアソコに食い込んでいるようにも見える。

 さて、ここまで聞いて真っ先に思い浮かぶ海外セレブといえば、「乳首見せ」パフォーマンスもいとわない元ストリッパーのレディー・ガガ(27)だろう。ところが実はそうではなく、コレは両方ともアメリカの「アイドル女優」代表であるマイリー・サイラス(20)の仕業なのだ。

 日本人にはいまひとつ馴染みが薄いかもしれないマイリー・サイラスだが、アメリカの10代男女からの支持は絶大だ。

 日本ではここ10年、少年少女の間でいわゆる「萌えアニメ」や、「ニコニコ動画」「VOCALOID(ボーカロイド)」などのカルチャーが急速に広まった。同じ頃アメリカのティーンの間でブームを巻き起こしたのが、ディズニー・チャンネルで放映されたドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』だった。ジャンルはシチュエーション・コメディ。有名なところで言うと、日本ではNHK教育テレビ(当時)で放映された『フルハウス』(ロリマー・テレビジョン)のような、笑いアリ家族愛アリの王道ドラマである。

 このドラマで主役のマイリー・スチュワートを演じたのが、当初13歳、「正統派・洋ロリ美少女」だったマイリー・サイラス。役名のマイリーは彼女のファーストネームにちなんだものだ。劇中、「普通の女子中学生」として学校に通いながら、全米で大人気のスター歌手「ハンナ・モンタナ」として活動するウラの顔も持つマイリー・スチュアートの周囲では、いつも大小さまざまな問題が巻き起こる。『フルハウス』のように、シーンごとにギャグも必ず用意されており、またアメリカドラマの常として、視聴者をハラハラさせる大事件が起こった後は必ずハートフルな結末が待っている。

 06年に同ドラマの放映が開始して以来、ティーンエイジャーの間での支持を着実に拡げていったマイリー・サイラスは、08年には米『タイム』誌(タイム・ワーナー)の「最も影響力のある100人の人々」のひとりに選出され、その後の年収は2,500万ドルを上回ったとも。劇中に登場する架空のスター歌手ハンナ・モンタナをもはるかに上回る、全米屈指のアイドル女優として見事花開いた。

 在米歴7年、日米のテレビ事情に詳しい男性はこう話す。

「『ハンナ・モンタナ』は毒っけもなくて、コメディとしては凡庸なデキと言えなくもないですが、主演するマイリー・サイラスの可憐さをウリに大ヒットして、放映は2011年まで続きました。フツーの話をロリロリなビジュアルで売るっていう、まさに「萌え」のアメリカ版といってもいい内容の作品ですよね。同時代の日本で言ったら、アニメ『けいおん!』(TBS系)みたいな」

 そんな萌え系アイドル女優が、20歳の若さにしてコアなアダルト路線に突然の“覚醒”。その理由はと言えば、ディズニーお抱えアイドル女優としての、いい子チャン的な活動に不満があったとも、はたまたカリスマである「ガガ様」への憧れともウワサされている。

 とはいえ、やりたいことをやりたいようにやっていては干されてしまうのは、どこの国の芸能界も同じ。先述の腰振りダンス騒動を受けて、アメリカの有力ファッション誌『VOGUE(ヴォーグ)』(コンデナスト・パブリケーションズ)では、内定していた表紙への起用を取りやめると宣言。これには、『ハンナ・モンタナ』を製作したディズニー・チャンネルの親会社であり、ハリウッドに大きな影響力を持つウォルト・ディズニー・カンパニーの意向も関係していると考えるのが自然だろう。全裸ミュージック・ビデオも、古巣・ディズニーの関与のないレーベルで製作されたものだ。

 エンターテイメントの巨塔・ディズニーを敵に回す形となっているマイリー・サイラス。そんな彼女の今後について、海外ゴシップに詳しい芸能誌記者はこう話す。

「『ハンナ・モンタナ』終了後の2012年、マイリー・サイラスに100万ドルでポルノ出演のオファーがあり、話題になりました。特に受ける理由もなかったため当時は断ったとされていますが、過激パフォーマンスで古巣ディズニーにケンカを売っている今のマイリーなら、出演しちゃうかもしれませんね」

 とはいえハリウッドでは、ヌード披露やポルノ出演も、「アダルト業界への転身」だとはあまり考えられていない。大女優キャメロン・ディアス(41)も19歳のときにSMビデオに出演した過去があるし、18歳のときにメールで送信した全裸写真が流出したヴァネッサ・ハジェンズ(24)でさえ、これといったお咎めを受けずにバリバリ現役だ。アイドル女優の仮面を脱ぎ捨てるにあたって、ヌード披露やポルノ出演はむしろ自然な流れとも言えるし、それは将来的にも、彼女の単なる経歴のひとつとして数え上げられるだけだろう。

 ところで、マイリー・サイラスのツイッターのフォロワーは、若いファンを中心に1000万人を上回る。イチバンの問題はといえば、米国の少年少女に対するマイリーの影響力がまだまだ衰えていないという点にあるのではないだろうか。かつてはディズニーによってその純潔が保証されていたマイリーが、熱狂的な支持者たる純真無垢な少年少女たちに、性の奔放なありようを教えてしまうのだとしたら…。『ハンナ・モンタナ』を見せていたアメリカ家庭のダディ・マムたちも、心中穏やかではないだろう。
(文=是枝 純)

men'sオススメ記事

men's人気記事ランキング

men's特選アーカイブ