ウッチャンこと内村光良(49)の勢いが止まらない。かつて、ダウンタウンらと共にお笑い第三世代として注目され、1990年代に入ると一躍スターダムにのし上がったウッチャンナンチャンの鼻が大きくて色白の方だ。そんな彼が、当時の人気に迫るほどの活躍ぶりを見せている。
現在、5本のテレビレギュラーを抱えている内村。その内訳は、ゴールデンタイム2本と深夜帯2本に昼間1本という状況になっている。それがこの秋から、深夜の2本が共にゴールデンタイムへ昇格するというのだ。ちなみに時間帯が繰り上げられるのは、先日終了した『火曜曲!』(TBS系)の後番組として放送される『内村とザワつく夜』と『そうだ旅(どっか)に行こう。』(テレビ東京系)。『そうだ旅に行こう。』に関しては、30分番組から90分番組へと放送時間まで拡大されてのゴールデン昇格となっている。つまり秋からは内村の担当番組がゴールデン4本と昼間1本となるわけだ。
さらに内村といえば、現在不定期で放送されている『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)の評判も上々で、人気の朝ドラ『あまちゃん』(NHK)のパロディコントなどは、ネット上でも「面白すぎw」「似すぎワロタw」などと話題になったほど。同世代のとんねるずやダウンタウンが元気のない中、内村ただ一人が息巻いている状況だ。
「内村さんの特徴といえば、やはり後輩芸人の扱いの上手さですよね。とんねるずさんやダウンタウンさんは、プライベートでも仲の良い取り巻きや同じ事務所の後輩を自分の番組に出演させることが多いですが、内村さんにはそうした垣根がありません。彼の番組に出演する後輩芸人には、吉本もいれば在京大手の事務所や小さな事務所の若手もいますからね。事務所どうこうという考えがないのでしょう。そうした分け隔てのない態度が、多くの後輩芸人たちから慕われることにつながっているのだと思います。だから、内村さんの番組に出演した若手芸人たちも、“内村さんのために”と気合が入るのでしょうね。そしてその結果、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)などが良い例ですが、過酷なロケも果敢に挑戦し、力強いVTRに仕上がっているわけです。そうした内村さんの人柄はスタッフからの信頼も厚く、ゴールデン4本という状況につながったのでしょう」(業界関係者)
かつての人気を取り戻そうかというほどの活躍ぶりを見せる内村。今もっともノッている芸人の1人ということができるだろう。しかし、そんな人気者を起用していない局がある。フジテレビとテレビ朝日だ。
レギュラーバラエティの安定しているテレビ朝日はともかく、8月の平均視聴率でTBSに抜かれたフジテレビとすれば、内村の起用は是が非でも果たしたいところではないだろうか。「振り向けばテレビ東京」という状況のフジテレビ。しかもテレ東は、この秋から、その内村をゴールデンに抜擢している。ネット上では、こうしたテレ東の攻勢に、フジテレビの凋落を期待する声が大きい。さすがにいきなりテレ東がフジテレビを超えるということは考えにくいが、このままジリジリと行けば、近い将来、フジテレビがテレ東を追いかける立場になるかもしれない。そんなフジテレビとすれば、今ノリにノッている内村はあまりにも魅力的に違いない。『爆笑レッドシアター』以来となる内村のフジテレビ復帰も近いだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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