働いている方なら、「仕事がイヤだな」と思ったことがあると思います。長く働いている間には、ちょっとサボったりしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。でも、風俗を奢ってくれるといわれて、サボる人はいないと思います。
でも、これが起こるんです。
私、金丸伸吾は今、ソフト・オン・デマンド(SOD)の風俗覆面調査団というプロジェクトに、元老院という形で関わっています。このプロジェクトは、風俗業界の健全化、活性化を掲げ、有志の調査団員を風俗に派遣し、評価するというものです。もちろん、調査費用はプロジェクトが負担。要するに、調査団員になればタダで風俗に行けるようになるという、まさに男にとって夢の仕事です。
だけど、仕事っておかしななもんなんですよね。仕事といっても、自主的に参加し、調査に行くか行かないかも本人次第。しかも、女の子と遊ぶのが役割ですよ? そんなの、普通サボらないでしょう。なのに、長くプロジェクトをやっていき、サボる人間が出てくるんです。
発端は6月のこと。覆面調査団サイトの掲示板に、ある店舗から書き込みがありました。内容は、覆面調査団に掲載された自分の店のレポートが間違っているというもの。正確にいうと、「実際に調査せずに想像で書いたレポートだろう」という指摘でした。
指摘があった調査レポートには、当然女の子との会話ややりとりの様子も詳細に書かれていましたし、調査にあたった団員も過去に何度も調査に行った実績のある人間でした。
ですが、どうもこのお店の指摘、すごく生々しく、具体的なんですね。そもそもレポートで書かれているお店のシステムが、実際の店舗のシステムと食い違っているというんです。
これが本当なら、調査に行かずに書かれたレポートということであり、覆面調査団の信頼を揺るがす大問題です。即、内部調査が行われたのですが、結果からいえば、この団員はクロでした。内部調査でも、同じ店舗を調査した団員のなかで、1人だけ別形式の領収書を提出していたり、別の調査でも調査日に該当の女の子が出勤していなかったことがわかったりと次々と証拠が見つかり、最終的に本人も「調査に行かずにレポートを提出し、プレイ代金を懐に入れていた」と不正を認めたのでした。
こんなことは覆面調査団始まって以来初めてのことで、即刻該当レポートを削除し、店舗に直接謝罪、サイトにもお詫びを載せる事態となりました。虚偽レポートを書いた団員は即除名し、調査費用の3倍の金額を返金させるという決定が下りました。
金丸も本業を含め、今まで仕事をしてきたなかで、いろいろと怒りを感じることはありましたが、こんなに憤りを感じたのは初めてです。もちろん、覆面調査団を信頼してくれているユーザーを裏切ったこと、店舗に対して私利私欲で迷惑をかけたことに対しての憤りが大前提です。ですが、腹立たしいのは仕事で使うお金の意味がわかっていないという点です。
覆面調査団は、SODの資金で運営されており、我々の調査費用もそこから出ています。だけど、じゃあ、そのSODの資金はどこから集められたものかといったら、もとはユーザーがAVなどを購入したお金なわけです。
ダメな会社は、ビジネスで儲けたお金は全部自分のものだと勘違いするんですが、ビジネスのお金はユーザーから預かっているお金なんです。だから、エロで預かったお金は、新しいエロを生み出すことに使って、ユーザーに返さなくてはいけない。
こういうことをいうと、きれいごとだと思われがちなんですが、ビジネスっていうのは、投資と回収が基本でしょう? それってつまり、究極的にいえば「会社はユーザーのお金を預かっているに過ぎない」ということなんです。だから、覆面調査団もユーザーから預かった資金を、有益な情報に変えてユーザーに返さないといけないわけです。
今回不正を働いた団員は、そもそもその部分を理解できていません。「SODという金持ちからちょっとお金をちょろまかそう」くらいに思っていたんでしょう。でも、SODは金持ちなわけではなく、ユーザーからちょっと多くのお金を預かっているだけです。だから、我々も風俗を楽しむだけでなく、役立つ情報にして戻す義務があります。
不正を防止する仕組みを作っていくのはもちろんですが、こういうプロジェクトの基本的な考え方をもう一度徹底しないといけないなと思うのでした。
SOD覆面調査団では最近動画コンテンツに力を入れており、特別企画なども続々登場しています。また10月中旬にはサイトが大幅リニューアルしますのでどうぞお楽しみにお待ちください。
(文=金丸伸吾)
【SOD風俗覆面調査団 バックナンバー】
【第1回】女の子と“タダでエロいこと”するのが仕事? コレは妄想じゃなく現実だ! 風俗覆面調査団プロジェクト