ダウンタウンよりとんねるず!? スギちゃんのワイルドな渡世術

※イメージ画像:『スギちゃんのWILD100』エイベックス・マーケティング

 1日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)と『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)にスギちゃん(39)が立て続けに出演した。近頃、露出が減っているのではと噂されていたスギちゃんだが、この日は2本連続のメジャーバラエティ出演。同日行われたイベント(さいたまスーパーアリーナの恐竜ショー『WALKING WITH DINOSAUR』)に出席した際には、「メディアにでることは減りました」と自虐的な笑みを浮かべていたが、まさに余裕のコメントといったところだったのだろう。

 昨年春に行われたR-1ぐらんぷりの準優勝をきっかけにブレイクしたときには、「夏を越せるかどうか」と語っていたスギちゃん。その後、収録中の怪我などで露出しなかった時期があるが、復帰後はコンスタントに仕事をこなし、今でも人気は健在。この分でいけば、2度目の夏も無事に乗り越えられそうだ。自らを一発屋芸人と称しながらここまで人気が継続すれば、もはや一発屋とはいえないスギちゃんの活躍。その秘密はどこにあるのだろうか。

「やっぱりスギちゃんの場合は、何と言っても人柄ですよね。それに加えて、売れていない時期が長かった分、基礎がしっかりしているのだと思います。それこそ、デビューしたてで売れてしまうと横柄になりがちですし、何もできないくせにと反感を買ってしまうものですが、スギちゃんはその逆ですからね。苦労も知っているし、お笑いの土台もしっかりしている。そういう点が評価されているのだと思います。そうなると、当然、スタッフや共演者からの評判も良く、仕事につながるというわけです」(制作会社関係者)

 以前から、とんねるずにはまっている芸人としてたびたび同番組に出演していたスギちゃん。1日の放送も、石橋貴明(51)がスギちゃんのことを気に入っているのがよくわかるものだった。その理由も、前出の関係者がいうような、スギちゃんのお笑いの基礎力にあってこそだ。

 たとえば、同日の番組では、「きたな美味い店」が放送されたが、その中でカラシが出てくると、石橋は「ムリするなよ」「やめろよ~」とお決まりの煽り文句を連発。それを受けたスギちゃんも、そのノリに応え、カラシを目の下に塗るという行為で笑いをとった。とかくそうした笑いが好きな石橋にとっては、しっかりと対応してくれるスギちゃんという存在はありがたいのだろう。

 だが、その後に出演していた『DX』では、トーク主体ということもあって、なかなか力を発揮できなかったスギちゃん。流れや場の空気というものが大きく関係するトークでは、そのお笑いの基礎というのも役に立たないのかもしれない。

 もちろん、トークで滑った後の処理はしっかりとできていたので、基礎があるといえばその通りともいえる。しかし、たとえそれで番組としては成立しても、一般の視聴者から見れば、『DX』でのスギちゃんは面白くない人と映っただろう。逆に、『みなさん』でのスギちゃんは体を張って面白い芸人と認知されたはずだ。芸人としての得意不得意ということなのかもしれないが、スギちゃんという芸人は、人に活かされるタイプなのだろう。お笑い界の暴君とも言われる石橋を虜にするスギちゃんの“人たらしぶり”こそが、もっともワイルドなのだが…。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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