『27時間テレビ』は女芸人界の今後を占う熾烈な戦場となる!?

※イメージ画像:『FNS27時間テレビ 女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる』オフィシャルサイトより

 来月8月3日から4日にかけて放送される『FNS27時間テレビ 女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる!!』(フジテレビ系)の制作発表会見が7日、フジテレビ本社にて行われた。会見場には、メインパーソナリティを務める女性芸人10名(体調不良のため柳原可奈子は欠席)と相談役として出演するマツコ・デラックスが登場。「女子たちが体を張り、乙女心をさらけ出し、日本列島を女子力全開で大爆笑の渦に巻き込む」という番組コンセプトのもと、「真夏のなでしこ歌謡祭」「女芸人お母さん中継」「約1回目のプロポーズ」「ほこ×たて 女性技師対決!」「ミスターFNSコンテスト お前らを惚れさせてやるグランプリ!」のメインプログラムが発表された。

「視聴率の低迷が騒がれているフジテレビとすれば、この27時間テレビをきっかけに何とか下半期に勢いをつけたいところでしょう。先日、新しく社長に就任した亀山新体制としての船出でもありますから、絶対に失敗できないと意気込んでいるはずです」(業界関係者)

 この関係者曰く、「フジテレビが全精力を傾けて練り上げた企画」だという27時間テレビの番組内容。しかし、早くもネット上では、その企画がひどすぎるのではないかと話題になっている。

 たとえば、制作発表が行われた当日、2ちゃんねるでは「今年のフジの27時間テレビが酷過ぎる」というスレッドが立ち上がっている。コメントを見てみると、「迷走しすぎ」「誰が見るんだ?」「企画が学生レベルw」など厳しい意見が多い。中には、「今時テレビを見ているやつに対してなら納得の内容」と、かなり上から目線の声も見受けられる。

 また、「フジのレベルならこんなもん」「フジはどうせ見ない」など、ネット上に蔓延するフジテレビに対する嫌悪感を丸出しにしたコメントも多く見られる。単純な偏見ともいえる意見は無視して差し支えないだろうが、なぜ、彼らは27時間テレビの企画を「ひどすぎる」と言い切るのだろうか。

 基本的に、良い番組企画というものは、そのタイトルだけで、視聴者に内容を想像させるものだといわれている。そうした意味でいえば、今回、フジテレビが発表した企画は、それぞれ内容が具体的に想像できる。だが、27時間テレビの醍醐味といえば、生放送ならではのハプニングやサプライズといった面にあるのも事実だ。かつて酔っ払った末に下半身を露出してしまった笑福亭鶴瓶(62)の例を出すまでもなく、もちろんこれは放送事故であり演出ではないが、“予測不能な勢い”こそが27時間テレビの、しいてはフジテレビの長所だったハズだ。特にネットユーザーたちは、こうしたハプニングが大好物。彼らの「ひどすぎる」という意見には、まったく事件の予感がしない企画内容に対する失望があるのかもしれない。

 今のバラエティ界を見渡してみると、人気と合わせて過激なハプニングを期待できる人材といえば、やはり女芸人になるのではないだろうか。特に森三中の大島は『10匹のコブタちゃん』(フジテレビ系)でキングコングの西野にケンカを売るなど、過激な発言を厭わないタイプ。7日の記者会見でも「出入り禁止になってもいいくらい露出していきたい」と放言し、会場を沸かせていた。

 現在の女芸人の人気は、これまでのテレビ史にはなかったもの。そんな女芸人たちを11人揃えてメインパーソナリティを任せるというのは、時流に乗った選択といえるだろう。ただ、これだけの大所帯で進行をソツなくこなすのは至難の業。やはり誰かがメインMCを務めなければならない。番組コーナーによって、その役割を回すことが予想されるが、27時間という長丁場では、それぞれの力量が如実にあらわれることになるだろう。

 今のところ彼女たちの中で、明らかに一歩抜け出している人材は見当たらない。会見場では仲良しグループのように和気あいあいとしていた彼女たちだが、その腹の内では、熾烈なMC争奪戦が繰り広げられているのではないだろうか。そして、この番組での“実績”は今後の仕事にも少なからず影響するだろうことを彼女たち自身も分かっているはずだ。今回の27時間テレビ最大の見所は、女芸人界のトップをかけた“女の戦い”にあるのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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