私事で申し訳ないのだが、大学時代、筆者トビタは2コ上の先輩に告白し、フラれた。トビタはそのことを、自らにエロの真髄を叩きこんでくれた変態師匠に伝えると、彼は真顔でこう返してきた。
「えっ、それで終わり? 何やってんだよ。フラれてからが本当の勝負なんだよ。押して押して、押しまくらなきゃダメだよ」
当時、まだトビタの息子のトンネル通過回数は数えるほど。そんな青二才のときではこの言葉の意味がよく分からなかったが、今はつくづく同意する。恋愛は「フラれてからが勝負だ」と。そしてそれは、恋愛における告白の概念をも変えるのだと。
単純に言えば、この世の中に、一度フラれてから付き合ったカップルはゴマンといる。その多くは、一度告白されたことで相手を意識し出し、その時は断ったものの、しばらく経って女から「やっぱり付き合いたい」というパターンだ。
つまり一度目の告白は、いわゆるノックなのだ。相手の部屋をコンコンコン。家に入れるかどうかは、一回入室を拒否されてから(フラれてから)にかかっているのである。
ただし、フラれてからもアプローチを続けるのはそう簡単ではない。たとえば学生時分のクラスメイトや、会社の同僚が相手ならフラれようと接触する機会はあるが、もし合コンなどで出会ってしまうと、フラれた後にまたデートを申し込むのは気が引ける。かといって、ストーカー行為をしてはいけない。法的にダメなのはもちろんのこと、ストーカーのような行為で、相手が自分を好きになってくれることは2万パーセントないからだ。
大切なのは、告白する前に「今後も会うための伏線」を張っておくこと。もっとも良いのは、共通の趣味を持っておくことだ。しかもそれが「他の人でまかなえないもの」ならベストだろう。とはいえ、それも簡単なことではない。そこでひとつの方法を提案したい。
まず、告白をする前の段階で、次回遊ぶ約束を取り付けておく。出来るだけ具体的に日にちと行き先を決めておくと良い。そして、次回会う約束を取り付けた2日後くらいに「ちょっと電話で話したい」と突然攻めよう。ここで告白するのだ。読者の方もだいたい想像がつくだろうが、つまりは先の予定を組んでおくことで、告白の結果いかんにかかわらず、後に会えるような場を設けておくのだ。
ただし、これだけではダメ。フラれた後、「じゃあ今度のもやめよう」といわれてしまえば終わりなのだ。だからこそ、フラれた後、早めの段階で自分からこう言ってほしい。「じゃあ、これから友達としてたまに会おうよ。何カ月に一回で良いから。これで完全に関係を切るのは嫌だ」と。
大切なのは「何カ月に一回」というところ。これは、相手に重さを感じさせないため、社交辞令のように「いいよ」と返してくれやすくなる。また、「完全に関係を切るのは嫌だ」というセリフは、相手への気持ちの強さ、純粋さを表している。
これに対し相手は「いいよ」と返すはず。そこで「そういえば、今度遊ぶ予定だったのはどうしよう。もう予約しちゃったし、もし○○がよければ行く?」と展開させる。嘘でもいいから「予約した」と言ってしまえば、向こうも行くしかないと思うだろう。これが告白時の作戦の全貌だ。
なお、このミッションで何より大切なのは、フラれたからとその場で過剰に落ち込んだり、悪びれたりしないこと。それは自分の評価を落とし、今後友達としてまた会う可能性を消し去ってしまう。落ち込みは見せながらも、その場面ではサッパリと身を引くことだ。
そして、フラれた後に会うのだが、ここでは「あきらめていない」雰囲気を出し過ぎてはいけない。今後も会えるようにするには、一度相手の警戒心を解いて、完全な友達の雰囲気を作ることが重要だ。会話の中で何か“とっかかり”を見つけて、次に誘う口実を何とか作っておこう。2人ではなく、複数名で会う形でもいいだろう、友達として。
フラれてから2回目に会うあたりが、もう一度アタックする絶好のチャンスだ。ここはオーソドックスに「やっぱりあきらめられない」という形でいい。相手も、しばらく彼氏ができないと、徐々に「あの人でもいいかな」と考えてくる。男の自尊心を傷つける付き合い方だが、そんな事を言っていては恋の戦には勝てない。
もしくは、あえて再アタックせず、友達としての交流を続けてもいい。そのうち相手の警戒心がとけて、やや飲み過ぎた夜があったらチャンス。つまりは、どさくさにまぎれてヤッてしまうのだ。一度の告白は、結果がどうあれ、その男を「恋愛対象」として考える機会を女に与える。すると、酔って乱れたときに女が股を開いてくれる可能性が一段と高くなるのだ。
以上が、「フラれてからが本当の勝負」だと思う理由である。なお、冒頭に出た学生時代の筆者トビタの恋愛エピソードだが、先輩にフラれた後、変態師匠のあおりでプッシュし続けたら、1カ月後に付き合うことが出来た。
フラれた後も、チャンスは無数に転がっている。1度目の告白は、あくまでノックなのだ。本当の勝負はまだこれからだと思ってほしい。そう考えれば、もっと強気に、気楽に告白をできるようになる。
(文=トビタシンイチ/ブログ「トビタシンイチのエロ探検記」)
トビタシンイチ(とびた・しんいち)
日夜エロネタを求めて風俗・合コン・ナンパに挑むエロ探検家であり、ライターとしてさまざまな失敗エピソードを紹介している。国内有数の早漏男子という顔も持つ。