NEWSのライブ延期で大混乱、歪んだ善意が暴走した“パーナさん騒動”

画像:NEWS 4人体制後、ファンの熱狂度も加速?

 ジャニーズ事務所所属の4人組男性アイドルグループ・NEWSの東京・秩父宮ラグビー場での野外ライブが27日、突然の天候不良で中止となった。開演後に激しい雷雨で中断となり、翌日への順延が決定。順延決定後には、来場者87人がショックによる過呼吸や雨にさらされたことで低体温症を訴え、41人が病院に運ばれる騒動も起きた。ライブは翌28日に振り替え公演が行われることが発表されたが、地方から遠征してきたファンたちは宿泊場所を確保しておらず、未成年は資金的な余裕もないことから一部で混乱が生じたようだ。

 ライブが翌日順延になった27日の夜、Twitterなどで遠征組の一部ファンが「泊めてくれる方いませんか」などと書きこむ事態が頻発。夏休みということで未成年が多く遠征しており、彼女たちは余分な資金を持っていなかったようだ。だが、それでも翌日の公演を見たいと東京に居残ることにした未成年のファンが多くいたようである。

 同じファンが困っているということでファンの間で団結感が生まれ、宿泊先探しの情報が爆発的に拡散されることになった。また、見かねたファンが「パーナさん(NEWSファンの通称)が困っています!誰か泊めてあげてください」と協力。さらに芸能人のアカウントに「NEWSのライブが延期になって地方からきた人が泊まるところなくて大変なんです!助けてほしい」と突撃する者もいたようだ。

 善意で行われた情報拡散だったが、宿泊先を探しているファンの多くは女子中高生であり、必要以上に情報を広めることで逆に犯罪に巻き込まれる可能性を高めることになる。また、未成年の女の子がネット上で宿泊先を募ること自体、危機意識が低すぎるとの声もあった。ライブが中止になったのは気の毒であるが、身の安全を確保できない状態であれば、あきらめて帰宅するべきだろう。だが、そういった声はファンの間からほとんど聞かれなかった。

 この“歪んだ善意”の暴走はエスカレートし、一部ファンは「コンビニ、スーパーの方、パーナさんにご飯、飲み物を譲ってあげてください。コンビニ店員さん、フランクとか焼いてパーナさんに無料で渡して上げてください」とツイート。災害時ならともかく、自己責任の範疇の困りごとで食糧の無料配布を要求するという事態は非常識といわれかねないところだ。

 次第に情報は混乱の様相を呈し、一部では「友達のパーナさんが行方不明になった」「夜の街でレイプされそうになった」「偽警官に拉致されそうになった」「麻薬取引に巻き込まれた」「グッズを持ってるとレイプ犯に狙われるから隠して!」などといった真偽不明の情報が多数噴出。「(ツイートを)まわさないあなたも加害者ですよ」などといった文章が付け加えられたこともあり、チェーンメールのような状態になっていった。

 また、友達と連絡が取れなくなったというファンが、その相手の容姿や服装を事細かに綴って「探してください」などと書きこみ、それが拡散される事態も起きた。これは余計に犯罪を助長しかねないケースだが、そういった危機意識のないファンが多数いたようだ。

 実際にファンを自宅に泊めたという女性も現れたが、その女性は「泊めてあげて、ご飯も出して、お風呂も着替えも貸して、濡れた服は洗濯してあげて…こっちは善意で動いてるのに挨拶もまともにできなくて、お礼もなくて、私が居ないところで不満タラタラ言ってて…文句あるなら野宿でもしたら?」とファンの態度を非難。これに対し、別のファンから「パーナさんが襲われたり倒れてもいいのか?お前が野宿しろや」といった批判が寄せられ、謎の泥仕合に発展するというケースも発生した。

 当初はファンの助け合いや団結力が垣間見えた美談のはずだった今回の騒動だが、次第に一部ファンのマナーの悪さや図々しさ、非常識ぶりが目立つようになり、ネット上ではNEWSファンに対する批判が強まる結果に。一連の騒動に対し、ネット上では「やっぱりジャニオタはマナー悪いな」「お金がなかったら帰ればいいだけなのに非常識」「こんな大騒ぎして…ファンがNEWSの名前を汚してるね」などといった声が上がっている。

 多くのジャニーズファンがマナーを守って応援している一方、今回に限らず非常識なファンがひんしゅくを買う事態が多発しているのも事実。「ジャニーズファンはイタイ」という印象が定着すれば、アイドルのイメージにも悪影響を及ぼしてしまう。ファンとの信頼関係を大事にしているジャニーズアイドルたちのためにも、ファンは節度ある行動を心がけてもらいたいところだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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