中学の頃はGLAYが好きだったH子(20代・福岡県出身)。勉強熱心というわけでもなく、部活に燃えていたわけでもなく、かといって不良少女だったわけでもなく、GLAYが好きなごく普通の中学生だった。
転機が訪れたのは中学2年の時。GLAYのようなメジャーバンドではなく、インディーズのビジュアル系バンドにも興味を持つようになった。バンギャブームの昨今、決して珍しい話ではないのだが、インディーズビジュアル系バンドにハマッたことが、H子の人生を大きく変えることとなる。
ロストヴァージンも、相手はバンドマン。高校1年生の時、彼氏ではなく先輩の友達でバンド活動をしている男性だった。
「周囲に、早いとこ処女捨てといたほうがいいよって言われてヤッたカンジです」
多くの女性にありがちな、「1回セックスすると好きになる」という感情は沸かなかった。
「セックス自体も、痛くはなかったけど気持ちいいとも思わなかったし、それに…」
H子には、身近な恋愛よりももっと大事なものがあった。インディーズビジュアル系バンドの追っかけである。某バンドのボーカル男性に夢中になり、熱心にライブへと通った。
翌年、知人の紹介でそのボーカル男性に紹介してもらえることになった。ファンとして客席から見るのではなく、直接会えたことが嬉しかった。
「会ってその日のうちにセックスを求められたんですけど、もちろん断りませんでした」
こうしてH子は、憧れのバンドマンのセックスフレンドになる。
「高校2年生でセフレがいるって早いよね?」と聞くと、H子は少し困った表情になった。
「彼には、二十歳って嘘をつきました」
なるほど、正直に高校生ですと言ってしまうと、いかに遊び慣れたバンドマンとて、関係を持つことを躊躇するかもしれない。なお、H子がついた嘘は年齢だけではなかった。
「カレは東京の人だったので、自分も東京に住んでいるって設定にしました。福岡には、ライブを聴きに東京から来たってことにしたんです」
この「第二の嘘」ため、H子は福岡と東京を行ったり来たりするハメになる。彼が、「○日空いている?」とセックスに誘ってくるのに合わせて、東京にいなければつじつまが合わなくなるからだ。H子は、彼とのセックスのために数万円もの交通費をかけて、何度も東京に足を運ぶこととなった。
交通費を捻出するには、援助交際をするしかなかった。H子は、バンドマンからのお誘いがかからない時期は、地元の福岡でせっせと援助交際に精を出す。
幸い、おかしな客にあたって嫌な目に遭わされることはなかった。
「毎回、処女ですって嘘をついていたから、マニアックなプレイを強要されることがなかったのかも」
対する、本命バンドマンのセックスは、少々マニアックだった。性交中にH子を叩くのだ、いわゆるスパンキングプレイである。また、相当な巨根の持ち主で、激しすぎるピストン運動の末、子宮頸部に傷がついて出血し病院に駆け込んだことも。それでもH子は幸せだった。
「自分の全てを捧げても絶対に後悔しないって確信があったんです。だから、彼のセックスも全て受け入れようと思いました」
やがてバンドマンは、H子にセックス以外のものも求めるようになる。金を要求してきたのだ。
「お金を出さないとかまってもらえなくなるんじゃないかって不安があったんです」
フリーターという設定にしてあったので、多額の金を求められることはなかったが、毎回1万~5万円を渡すようになっていった。
■後編に続く
※後編はコチラから(2013年6月28日公開予定)
(文=菊池 美佳子)
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