小林よしのり氏の「AKB“卒業”宣言」でファン離れ加速か

※イメージ画像:第5回AKB48選抜総選挙/撮影=岡崎隆生

 6月12日、熱烈なAKBファンとして知られる漫画家の小林よしのり氏が、現在執筆しているAKB関連の著作が今年の秋頃発売になる、と自身のブログで明かすとともに「そこでわしのAKBに関する一切の言論活動を終わる」と明言した。その後に「来年の総選挙では、わしはライトな一ファンとして、メディアを通して見ることになろう」と語っていることからも、この発言は実質上、小林氏のAKB“卒業”宣言であると考えていいだろう。

 小林よしのり氏は1986年に「月刊コロコロコミック」(小学館)で連載された漫画『おぼっちゃまくん』が大ヒット。その後『ゴーマニズム宣言』(幻冬舎)で天皇や戦争など、社会的なテーマに関する自らの思想を漫画で著す独自のスタイルを確立し、現在に至るまでそのスタイルは続いている。近年は、自身のブログにAKBについての持論を掲載し、各誌にAKB関連の連載を持つなど“AKB論壇”の第一人者としての活動が目立っていた。自らファンとしてどっぷりAKBにハマりつつも、独自の視点でAKBについて真摯に語る姿勢が多くのファンから支持されていた。

 先日のAKB総選挙後、小林氏はHKT48・指原莉乃の1位獲得に対し「こんなに感動のない総選挙は初めてだ」と落胆のコメントを自身のブログに掲載した。このことが「今回のAKB“卒業”宣言につながったのでは?」という声も上がっているが、宣言後に、現在執筆中のAKB本について「指原のことも肯定的に、しかもチャーミングに描いている」と語っていることから、指原の1位は直接的な要因ではないとも考えられる。また、熱心に応援しているAKB48・市川美織のNMB48移籍が原因と見る向きもあるようだが、真偽の程は定かではない。

 今回の小林氏の“卒業”宣言はネット上でも話題となっており、「よしりんの反応楽しみにしてたのに」「寂しい」といった声が次々と寄せられている。と同時に「支店(※NMB48、HKT48など地方のAKB48姉妹グループの総称)に関する言論活動に関しては終わるとは言ってない」「ヲタ卒を宣言する人はまず卒業できない」など、懐疑的な意見も多い。

 AKB関連著作を刊行した後の活動について「秋からは、次の重大な仕事にとりかかる」と明かした小林氏。もし本当にこのまま卒業となれば、これまでの熱心さを考えると、ずいぶんとあっさりしすぎている感もある。これまで、数々の社会的なテーマに取り組んできた小林氏にとって、AKBとは天皇や戦争に並ぶ“テーマのひとつ”にすぎなかったのだろうか。

「小林氏は以前、彼の“推しメン”の1人である大島優子について、テレビ番組で『大島優子とやりたい』とも取れる発言をして批判が殺到したことがありました。結局この後、大島本人と対面して和解しましたけどね。もし、彼がAKBを1つのテーマとしてしか見ていなかったというのであれば、あそこまで迂闊な発言はしないはずです。大島と和解した時の小林氏のブログには、『大島は器が大きいだけじゃなく女としても素晴らしい』なんて嬉しさいっぱいの微笑ましい記事を掲載して、ファンに『よかったな(笑)』なんて半ば呆れたようなコメントをされています。今回のAKB“卒業”宣言を受けて、これまでのAKBに関する発言や活動は『自分の著書を売るための宣伝活動だったのでは?』という声も一部から上がっていますが、それだけで、大の大人、しかも世間に顔を知られている人間が、自分の娘でもおかしくないような年齢の女性に翻弄されている姿をさらけ出すとは考えにくい。著書で取り上げるテーマとしてではなく、本気でAKBにハマった、ということなのでは…」(芸能記者)

 現在、週刊誌やテレビなどでAKB関連の情報を数多く発信している小林氏が、さほどアイドルへの関心が高くない層にもAKBの魅力を伝えることに一役買っていたことは間違いない。「AKBに関する一切の言論活動を終わる」と言った以上は、当然これらの活動も終了するだろう。その影響力は決して小さいものではないはずだ。

 小林氏の“卒業”に加え、総選挙で指原の1位に納得していないファンからの不満の声など一連の流れから、ファン離れが加速することも十分にありえる。「会いにいけるアイドル」として秋葉原の小さな劇場から始まったAKBが、再びコアなファンの身近に戻ってくるのだとしたら、それはそれで歓迎されるべきことなのかもしれないが…。

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