『グラビアアイドルと合コン』……男なら、誰でも胸がときめく誘惑だが、その実態は意外と残念なものらしい。というのも、その一見夢のような体験をしたある男性が「散々だった…」と意気消沈しているところに遭遇したからだ。グラドルとの合コンを経験したのは、航空自衛隊の某基地に勤務するN氏(27歳)。彼は浮かない顔でコトの顛末を話してくれた。
件のグラドル合コンが行われたのは昨秋。同期の隊員に誘われたN氏は、会場である個室のカラオケBOXで、美女の登場を今か今かと待ち望んでいた。そこへ「どーもー」と入ってきたのは、年の頃は30代後半、顔立ちはそこそこ綺麗なものの、ド派手なファーコート、ブランドバッグ、サングラスといったケバい出で立ちのおばさん集団だったそうだ。
「小岩のキャバ嬢みたいな集団が入ってきたから、最初、部屋を間違えたのかと思ったら、幹事のヤツがヘコヘコしながら『待ってましたー』とかいって拍手するんですもん。わけがわからなかったです」
困惑するN氏をよそに、彼女たちはコートを脱ぎ、身体のラインが丸わかりのぴたっとしたスーツや、胸元がざっくりと開いたワンピースなど、イケイケモードの完全武装に変身。サービス過剰な温泉旅館のコンパニオンのように、男性の間に割り込み、身体を密着させながら、一気に盛り上げようという雰囲気になったという。
「とにかくノリがよくて、イッキだの王様ゲームだので盛り上がっていたんですけど、正直、母親に近い世代の人に『イェーイ!』って言われても冷めますよね(苦笑)。女性に恥をかかせちゃいけないと思って、こっちも盛り上がりましたけど、内心早く帰りたかったです。しかも酒が回ってくると、なぜか話題はAV女優…特にMUTEKI女優への悪口と、昔の自分の活躍話に。Jリーガー・野球選手・芸人に口説かれた話とか、興味ない上に痛々しくて…」
とはいえ、彼の横に座ったKという名のグラドルは、まだ29歳とその日のメンバーの中では一番若かった。バツイチであるせいか、男性への接し方も他の女性陣のようにイケイケでもなく、軽く世話を焼いてくれる感じで、彼も気を許したそうだ。そこで、ちゃっかり二人はコンパを抜けだし、そのままホテルへ…。だが、この理想的な展開のあと、彼は再び地獄を味わったと明かす。
「ホテルに入ったら彼女は『じゃあシャワー浴びましょうか』と、ささっと服を脱いで一人で風呂に行っちゃった。僕は多少話して、盛り上がれば…みたいなのを期待したんですけど、これじゃあデリヘルでしょ(苦笑)。H自体も流れ作業的な感じで、いきなりフェラしてくるし、『はい、仰向けになってー』『おっぱい触っていいよー』とか上から目線で指図してくるし…。もう情緒もくそもあったもんじゃない。そのくせ、挿入すると、AVでももうちょっとリアリティあるだろうと思うような、わざとらしいあえぎ声。途中で笑っちゃって、結局最後までイケず…。それが彼女のプライドを傷つけたんだと思いますけど、『筋肉質なのにヘタレなんて信じられない』って怒られて、それっきりです。もうグラドルはこりごりですね」
しかし一口にグラドルといっても、ピンからキリまであるものだ。先日、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の有吉相談室に出ていた小林恵美や尾崎ナナらが、今の現状と将来の不安を口にしていたが、ゴールデンのバラエティに出演機会のある彼女たちはまだ恵まれている。芸能人専用AVメーカーを謳うMUTEKIからもオファーがこなくなってしまった高齢グラドルは、レースクイーンなどを含めて実は大量に存在する。
もちろん、会員制のキャバクラやガールズバーでバイトする子もいるし、中には風俗で働いている子もいないわけではないが、若いときにアイドルとして扱われ、ちやほやされることになれてしまっている彼女たちは、接客業に苦痛を感じることも多く、なかなか定着できないという。
今回参加していた女性たちも、男性誌で水着グラビアを数回経験していたり、○○ガールズなどと名乗って、深夜番組のひな壇に座っていた子もいたそうだが、現在は事務所を退社している子がほとんどだったようだ。アラサー前後までは、パチンコ屋の営業などの仕事が月に1~2度はあったらしいが、35を越えると、そういうオファーもなくなる。そうなると、結婚もしておらず、他の分野への転身も考えなかった子は窮地に陥る。結果、加齢と不景気の影響をもろに受けた彼女たちは、必死の婚活に身を投じるのだ。
そうした高齢グラドルは、なぜか自衛隊、警察官、消防士などを狙う子が多いようだ。安定した職業として公務員人気が高いのだろうと思ったが、必ずしもそれだけではないらしい。
「やっぱり普段から身体を鍛えている人たちだから、細マッチョで性欲旺盛な人が多い。安定と夜の生活の両方を狙っているんですよ」(芸能記者)
いやいや、どんな職業も大変ですね。彼女たちの幸せを祈ります。
(文=潜水亭沈没)