金を使うも芸のうち!? テレビで大金をはたく芸人たち

※イメージ画像:『コメ旬Vol.5』キネマ旬報社

 21日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で、バナナマンの日村勇紀(40)が約1,600万円のポルシェを購入し話題を集めている。元々本人が買う気だったものを番組の企画として取り上げただけとも考えられるが、一般人には簡単に手を出せるものではない高額な代物だっただけにネット上でも大いに注目を集めたようだ。

 今回のポルシェを合わせて、これまでにスーツや高給腕時計など計2,000万円近くの買い物をしたことになる日村。同番組の「買うシリーズ」では、ほかにも、さまぁ~ず、TIM、おぎやはぎなどが高級な買い物をしており、その総額は5,000万円以上となるようだ。あくまでも、無理強いではなく後押しという体裁をとっている企画だが、番組のメインである“とんねるずの威光”が強く反映されている企画ということは疑いようがない。

 テレビで大金をはたいた芸人といえば、『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京系)などでは、千原ジュニア(38)がふと漏らした一言をきっかけにゲームをし、その結果、およそ370万円のKAWASAKIのバイクを買い、フットボールアワーの後藤輝基(38)が約100万円のハーレーダビッドソンを買ったりしている。また、アンタッチャブルの山崎弘也(37)、バカリズム(37)、オードリーの若林正恭(34)が出演している『日曜×芸人』(テレビ朝日系)では、ロケ中の品物購入はすべて自腹という設定のため、バカリズムが高級クラブで70万円のボトルをキープしたりする場面が流れている。(この企画がドッキリであったため、バカリズムは飲食代の15万円の支払い)

「基本的には先輩芸人が後輩に何かを買わせて権力を鼓舞するようなパターンといえますが、最近では同世代の芸人同士によるゲーム感覚でモノを買うという企画が多くなってきています。どちらもそもそも欲しいものであったり、買う予定のものだったりするとは思いますが、先輩から後輩というパターンより同世代同士だと強権的なパワハライメージが少なく、視聴者に受け入れられやすいのかもしれませんね。まあ、テレビに出ているような芸人さんの多くは当然のように稼いでますし、ただプライベートで買うというより、1つの企画にして、それが芸になるのなら番組で大金を使うというのも抵抗がないのでしょう」(業界関係者)

 しかし一方で、昨年末にモデル女性と破局したというロバートの馬場裕之(33)などは、同棲していたマンションを35年ローンで買っていたということが明らかになり、その堅実ぶりを露呈させたりもしている。またペナルティのヒデ(41)も売れていない時期にローンを組んで車を買い、マンションを購入していたという。一口に芸人と言ってもそれぞれタイプが異なるだけなのかもしれないが、前記した番組内で大金をはたく芸人たちや阿佐ヶ谷の一軒家を一括で買ったという爆笑問題の田中裕二(48)などとは大違いといえる。

 そんな両者の違いは、芸人というものを職業と捉えているか、それしかできないからなっているかということではないだろうか。あくまで推測に過ぎないが、きっと馬場やヒデなどは、普通のサラリーマンとして働いても成功したのではないだろうか。しかし、番組内で面白いからといって2,000万円以上を費やしてしまう日村などは、いくらそれだけ稼いでいるとはいえ、感覚的に会社員としては不適格に違いない。ただ、芸人としてどちらが芸人らしいかと言えば、やはりそれは日村になるだろう。すべてを笑いにささげる真性の芸人にとっては、お金というものも笑いをとる手段にしかならないに違いないのだから。そして、そんな“何をしても芸になる”芸人になろうと、今、多くの芸人たちが番組内で大金をはたいているのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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