昨今、日本でも背の高い女性が好きだという男が増えてきた。AVでは長身女性をフィーチャーした作品がすっかり企画モノの定番だ。昔は圧倒的に小柄な女性が人気で、「小さくて守りたくなる」という表現は今でもしばしば使われる。
長身女性人気は芸能界の影響もあるだろう。最近は人気女優・タレントもみんな大きい。長澤まさみ、篠田麻里子、新垣結衣は公称168cm、小雪と榮倉奈々は170cm、天海祐希は171cm、松嶋菜々子が172cm。松下奈緒はなんと174cmである。
昨年は、これまで浮いた話のまったくなかった元バレーボール日本代表の大林素子（182cm）に熱愛報道が持ち上がったが、これもまた日本女性の人気トレンドを考える上で示唆的と言えるかもしれない。ちなみに大林の後輩で日本のバレー界を背負う木村沙織は184cmだ。もっとも、彼女の場合、長身というよりは巨乳で人気なのだが。
女性たちの意識も変わりつつある。昔から欧米や韓国・中国では長身女性の方がモテるのだが、日本では長身であることをコンプレックスに感じている女性がとても多かった。というのも、好きな男性よりも背が高いと「釣り合わない」と思い悩んでしまうのだ。芸能人は長身ゆえのスタイルの良さを武器にできる仕事だが、それでも身長の高くない華奢なジャニーズアイドルや若手イケメン俳優と並ぶ際には、ハイヒールを履けなかった。だが最近は小栗旬や岡田将生、速水もこみち、向井理、松坂桃李などなど、若手俳優でも180cm超えのイケメンが増えたことで、女優たちも気にせず美脚を強調できるというものだ。
さて、長身女性への人気は、フーゾクでも広がりつつある。長身でスタイルの良い女性がたくさん在籍していることを売りにしている店が増えているのだ。もちろん、昔からそういうお店はあったが、ほとんどはSMやM性感、すなわち、客が女の子から責めを受けるプレーの店である。ただ、長身女性“専門店”となると、まだまだ限られている。デブ専の店に比べたら、圧倒的に少ない。それは単純に、フーゾクでデブ女性を集めるのは簡単だが、背の高い女性だけを集めるとなると大変だからだ。
そんな数少ない長身女性専門店、池袋の「はちみつ」では、身長170cm以上の女性だけを募集している。サイトや求人誌でも募集しているが、女の子の紹介での入店が多いようだ。
つぼみチャン（24歳）はオープンした一昨年の8月からの在籍で、身長は178cm。バレーボール選手並みの長身だが、コンプレックスはほとんどなかったと話す。
「高校生のとき、頼まれてバレー部に入ったことがありました。本当は絵を描くことが好きな文化系なんですが（笑）。一度会えば、すぐに覚えてもらえるし、コンプレックスはなかったです。ただ、足のサイズが28.0cmなので、合う靴を探すのは今でも大変。普段はスニーカーを履いています。洋服の場合は、サイズの大きいものを探しますが、日本製だとやはり股下が短かくなってしまいます」
客は背の低い男性が多いのかと思いきや、とくにそういう傾向はないらしい。ただ、痴女プレイ好きやMっ気のある男性がやはり多いようだ。
「おんぶして欲しいとか、お姫様だっこして欲しいという要望のお客さんが結構いますね。私はそういう力技系は苦手ですが。それから、全体重をかけて覆いかぶさって欲しいとか、脚で首をはさんで欲しいとか。脚フェチのお客さんは、足コキや太ももでオチン●ンをはさんであげると喜びます。体のパーツを使ってサービスしているのを、見て興奮するみたいです」
つぼみちゃんはウエスト55cmとかなりスレンダーだが、在籍している女の子の中には背が高いだけではなく、全体的にふっくらしている子もいるとか。しかし、その場合、長身とは言わず、単に「大柄な女性」とか「大きな女」とか表現されてしまう気がする。逆に170cm未満でも痩せ形の女の子はファッション次第で長身に見えるので、何事もトータルバランスが大切ということだろうか。
（文＝上条泡介）