ひとくちに牛肉と言っても、部位によってその触感は全く違ってくる。1頭からほんのわずかしか取れないヒレ部分は、脂肪が少ないにもかかわらず柔らかな歯ごたえが特徴的だ。ステーキにする際は、焼きすぎないほうが美味しくいただける。ロースはさっぱりとした食感。今の時期はすき焼きやしゃぶしゃぶ用としてお目にかかることが多い。コクのあるバラ肉は焼き肉にぴったりだ。
牛肉と同様に、ペニスにも様々な部位がある。亀頭・尿道口・カリ・包皮・サオ・裏筋・根元など。そして各部位ごとで得られる性感も微妙に異なるから面白いものだ。さて、もっとも深い快感が得られるのはどの部位なのだろうか?
一般男性から意見を募ったところ、大前提として「オナニー時とセックス時では異なる」とのことだった。そういえば女性にも、「オナニーではもっぱらクリトリス派だが、セックスでは膣派」というタイプが少なからず存在する。男性もまた、オナニーとセックスは全くの別物と捉えているようだ。
まずオナニーでは、もっとも感じる部位は「亀頭」であると答えた人が8割だった。亀頭は、ペニスの「顔」のような存在である。セックス本の図解でも、亀頭部分に顔が描かれているイラストは非常に多い。いわば、主役的ポジションだ。「ペニスの主役はサオなのでは?」という人もいるかもしれないが、実はサオには快感を得る神経はないのだ。対して亀頭には、快感をキャッチする神経が集中しているため、オナニー時にここを重点的に擦る男性が多いのはうなずける。
ところで、亀頭オナニーによって短小になるという都市伝説をご存知だろうか。皮オナニーで包茎になるという説に似ているが、根拠としては「快感が強すぎるために成長ホルモンが無駄に消費され、ペニスの発育にマイナスである」とのこと。皮オナニーは、皮が伸びるという目に見えたデメリットがあるので包茎の原因と言われればなんとなくうなずけるが、ホルモン分泌は身体の内側で起きている現象なので、イマイチ実感が沸かない。いずれにせよ、成人してからさらにペニスが成長することは考えられないので、亀頭オナニーでペニスサイズが激変することはないだろう。但し、強い刺激に慣れ過ぎると遅漏気味になることもあると証言する一般男性もいる。気を付けよう。
さて、セックスで一番感じる部位はどこなのだろうか? こちらに関しては、裏筋派が多かった。ただし、「挿入中に裏筋が気持ちいい」という意味ではないようだ。セックス中の、フェラチオタイムにおいては裏筋がベストとのこと。しかも、股ぐらに顔を埋められた状態でのフェラチオは不可で、舌先が這う様子が目で確認できなければ意味がないとのこと。要するに、視覚から得る興奮ということだ。
番外編としてご紹介したいのが、「根元」での性感について。亀頭や裏筋に比べると脇役的ニュアンスが強い部位なので、根本派は存在しないのではと思われたが、「キンチャク女性に挿入する際の、根元に受ける性感は格別!」と主張する男性も。キンチャクとは、入口部分が締まる女性器のこと。カズノコ天井やミミズ千匹に勝るとも劣らない名器である。
以上を踏まえると、一般的に人気がある性感帯は「オナニーでは亀頭、フェラチオでは裏筋、キンチャク女性とのセックスでは根元」という結果になった。亀頭と裏筋は比較的簡単に快感を得られるが、根本での快感はキンチャク女性にかかっているということになる。キンチャク女性を求めてひたすら経験人数を重ねるか、特定のパートナーに膣圧トレーニングさせるか、それは人それぞれである。
(文=菊池 美佳子)