芸能人ブログの宣伝効果は下火? オークション詐欺事件で明るみに…

※イメージ画像:『ほしのあき2012カレンダー』トライエックス
ほし~のもある意味被害者?

 「ペニーオークション」詐欺の全国初となる摘発が行われた。インターネット上で同オークションサイトを開設し、意図的に参加者が商品を落札できないシステムを作り、手数料を騙し取ったとして京都・大阪両府警は12月7日、運営会社の男ら4人を詐欺容疑で逮捕した。「ペニーオークション」は、通常のネットオークションと比べてスタート時の価格設定が低く、入札単位もわずか数円単位。そのため、「格安で落札できる」ことを謳っていたが、入札ごとに少額とはいえ手数料がかかり、最終的に落札できなくても入札料は返還されない。結果的に手数料が商品自体の値段を上回ってしまう場合もあるため、国民生活センターには利用者からの苦情が相次ぎ、同センターは消費者に注意を呼び掛けていた。

 実はこうした悪質な「ペニーオークション」サイトの宣伝に、芸能人もかかわっていた。サイバーエージェントが運営するアメーバブログを利用している芸能人たちが、一時期、「格安で落札できました!!」などと読者にオークション利用を促す体験記事を投稿していたのである。たとえばほしのあき、熊田曜子、東原亜希、菜々緒、永井大、ピース・綾部、小森純など複数の芸能人が「ペニーオークション」サイトで人気家電や生活雑貨を「激安で購入できちゃった!!」などと宣伝していた。彼らがリンクを貼り紹介したオークションサイトは様々だったが、実際はそのほとんどが同じ会社によって運営されていた。

「アメブロには、企業からの『この芸能人にブログで商品を宣伝してほしい』という要望に応える“記事マッチ”という広告メニューがあります。ランキング上位だったり固定読者数の多い人気ブロガーは、美顔器や化粧品などの紹介記事を1本書くだけで高い広告料を受け取ることができるわけですよね。しかしこれだといわゆる“ヤラセ”なので、一応アメブロ側は『タレントに商品を試してもらって良かったら自発的に記事を書いてもらう』『記事内容を指示・強要しない』と規定を設けています。ペニーオークションについても、こういったやり取りが、サイト側とアメブロ側であったのではないかと疑われたのですが、消費者庁でこのオークション手法が問題となった昨年の時点で、アメブロ側は一切の関与を否定、広告主であるオークションサイト側と芸能人が勝手にやったことだとしていますね」(広告業界関係者)

 一般には趣味の範囲で雑記をしたためる人もいるだろうが、芸能人にとってはブログを書くのもギャラの発生する仕事の一部。いつもの宣伝記事だと思って掲載したところ、とんだ問題に発展してしまったわけだ。彼らも同オークションの違法性は認識しておらず、意図せずに広めてしまったのかもしれない。しかし一方で、「芸能人ブログの広告宣伝効果」が意外と弱いことも、今回の事件で明るみに出てしまっている。というのも、今回摘発されたサイトは登録会員約10万人を謳っていたが、実会員は4,000人程度。そのほとんどが「bot」と呼ばれる入札の自動実行プログラムで、架空の会員だった。この自動プログラムにより、参加者がいくら入札を繰り返しても、自動的に値段が吊り上げられ、最終的に落札できず手数料だけがかさむ仕組みになっていたのである。

「芸能人だけでなく、ファッション誌の読者モデルなど一部女性に人気のブロガーたちを利用して大々的に宣伝していたのに、利用者はこの程度だったわけですね。2年間での売上は6,000万円程度だったそうですが、これを『十分な儲け』と見るか、『思ったほど儲からなかった』と見るか……。ブログを利用した商品宣伝やマーケティングはかなり一般化していて、消費者の方も『●●ちゃんが紹介してる!』というだけではもう飛びつかない。『本当にイイ商品なのか?』と疑い、ネット上での評価を見比べて確認するのが普通です。今年はこうしたブログでの商品紹介を“ステマ(ステルスマーケティング)”と嫌悪する風潮も広まりましたしね。個人の知名度に依存したブログの宣伝効果が広告料に見合っているかどうか、出稿する企業側も慎重になり始めている」(前同)

 それでも相変わらず、閲覧数上位の小倉優子や木下優樹菜、藤本美貴に紗栄子などには「是非ウチの商品を宣伝してもらいたい」とする企業が後を絶たないという。特に出産や育児でテレビ露出が減っているほど、ママブロガーとして人気は高いという現象も起こっており、活動縮小中の芸能人にとってはオイシイ仕事だ。しかし今回のように詐欺事件にかかわってしまうこともあるため、タレント側も宣伝対象の商材を選ぶ際はよくよく注意した方がいいだろう。

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