乱交パーティをエサにした詐欺で逮捕者 「乱パ」の今後は…

※イメージ画像 photo by BOMBTWINZ from flickr

 乱交パーティ開催を公表して男性を集め、参加費だけをだまし取る事件が発覚した。ニュースサイト「産経ニュース」が報じたところによれば、北海道警札幌・中央署は11月12日、札幌市内に住む42歳無職の男を詐欺の疑いで逮捕した。

 無職男が逮捕された直接の容疑は、インターネットの掲示板に「乱交パーティを開催します」と書き込んで参加者を募り、申し込んできた石狩市の42歳男性からパーティ参加費の名目で2万数千円をだまし取った行為だ。

 石狩市の男性は現金を支払った際に、犯人から「パーティは札幌市内のホテルで開く」などと説明されていた。そこで男性は、指定された日時に該当するホテルに出向いたものの、乱交パーティなどは開催されていなかったため、だまされたことに気づいたという。

 中央署の調べによれば、この件のほかにも今年になってから札幌市で5件、さらに仙台市で4件の同様の被害相談が警察に寄せられていて、しかも犯人の男が札幌と仙台に何度も行き来していることから、同じ犯行を繰り返していたと見られている。

 犯行の手口は、まずインターネットで参加の申し込みを受けて、参加希望者の名前や連絡先を聞きだす。そしてパーティ参加の段取りなどを説明するなどと称して希望者を電話で呼び出すと、喫茶店などで落ち合って参加費を受け取るといったところのようだ。そして、実際にはパーティは開催せずに、集めた現金をそのまま持ち逃げするというわけである。

 乱交パーティまたはスワッピングパーティというものは古くからあり、かつては本当に仲間内だけのプライベートな催しが主流だった。参加も既存会員の紹介や、男女カップルでの参加が原則であり、だれでもすぐに参加できるようなものではなかった。

 それが2002年頃から、身分証を提示して会員登録すれば男性でも単独で参加できるような乱交系パーティが登場。たちまち話題となり、やがて身分証の提示や登録などが不要のパーティも登場し、それまではアングラで未知のものだった乱交パーティが一気に「身近な」ものになっていった。しかし、そうした参加しやすいパーティは、結局は女性参加者も「仕込み」とならざるを得ず、風俗のパーティと変わらないものになっていった。そして、風俗への規制強化なども重なり、単独男性参加型の乱交系パーティは急速に衰退した。

 さて、今回のような詐欺行為もまた、相当に以前からあった。今から18年ほど前にも、風の会と称するスワッピングサークルの主催者がやはり会員から現金を集めて逃げてしまったという事件が起きたと、ある雑誌で読んだことがある。また、90年代後半に、東京・新宿区内でパーティ形式の風俗を装った、客から現金をだまし取る事件が起きたように記憶している。

 ただし、アングラなジャンルだからといって、ダーティなものだというのは間違いである。むしろ、三行広告系などのアングラな風俗営業は、アクシデントを避けるため真面目に運営しているケースが少なくない。

 現在でも、インターネットで参加者を募集しているこの手のサークルはいくつもあるようだ。そのなかで、どの主催者が信用できるかは、はっきりいって未知だ。ただし、事前に料金を払えだとか、入会金と称して高額の現金を要求するような場合は、注意したほうがいいかもしれない。

 不況が長引く中、あの手この手の詐欺まがいの事件も増えているようである。くれぐれも注意が必要だろう。

 さらに、公募で参加者を募る乱交パーティについては、2011年に高松地裁で公然わいせつに該当するという旨の判決が下されている。今回の事件も含めて、この手のパーティが20年前以前のような、仲間内だけのごくプライベートな集まりに回帰していく可能性は高いのではないだろうか。
(文=橋本玉泉)

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