セックス時の女性は、100%とまではいかなくても、多かれ少なかれ演技をすることがあるという。「そんなハズはない!」と憤慨する男性も多いだろう。セックス時の快感は、男性よりも女性のほうが数倍気持ちいいという説がある。にもかかわらず、演技しているとはどういうことなのだろうか?
なお、セックス時の男女の快感の差は、神話にも登場する。交尾中のヘビにイタズラをしたテイレシアスという男が、ヘビの怒りを買い女性の身体にされてしまうが、数年後に再び交尾中のヘビを見つけイタズラしたところ、男性の身体に戻ることが出来た。これに目をつけた神ゼウスと、その妻ヘラが「男の身体も女の身体も経験したのなら、セックスでどちらが気持ちいいか申してみよ」と問う。テイレシアスは、「男性の快感が1だとしたら、女性の快感は10である」と答えた。その答えにヘラが、「男性は、女性の1/10しか気持ち良くないのに、それでも浮気をするのが納得できない!」とテイレシアスに八つ当たりし、彼の視力を奪ってしまうという酷い内容だ。
この神話どおり、女性の快感が男性の10倍あるか否かはさておき、女性は全面的に演技をしているわけではない。男性から受ける愛撫を心から気持ちいいと感じ、喘ぎ声をあげることもある。ただし、前戯ではそうだとしても、挿入後は演技をする女性も少なくないようだ。というのも、女性の膣とは実は非常に鈍感な器官と言われている。当然だろう、女性の膣は、セックスだけでなく出産にも使う部位。敏感にできていたら、出産の痛みに耐えることはできないだろう。
もちろん、「膣が鈍感な器官で、あまり感じないから、早く終わってほしくて演技をする」という女性ばかりではない。喘ぎ声を出し、己のテンションを高めることで快感を高めようとする女性もいる。また、男性を悦ばせたい一心で演技をする女性も。このように、ひとくちといっても、そのタイプは様々なのだ。
いずれにせよ、セックス中の演技は、どうしても「女性が男性に対して演技するもの」というイメージが強い。しかし、一般男性からは「オトコだって演技をすることがある!」という声が多数寄せられている。オトコが演技をする時とは、どのような時なのだろうか?
まず挙がったのは、単純にテクニック面に対して。いかに愛する女性だろうと絶世の美女だろうと、あまりにもヘタクソなフェラチオが続くのはしんどいと、オトコたちは口を揃える。くすぐったく感じるのはまだいいほう。バキュームフェラを気取って激しく吸いつかれ、痛みが生じることもあるのだ。しかし、一生懸命やってくれている女性に対して苦言を呈するわけにもいかず、演技に至るという。
テクニックというよりも、部位そのものに伴う演技もある。ペニスが感じない人は滅多にいないだろうが、オトコの場合は乳首や陰嚢の感度には個人差がある。にもかかわらず、セックスハウツー本を鵜呑みにしているのか、丹念に乳首を責められても、うんともすんとも感じないという男性も。だが、ムードを壊すわけにもいかないという思いから、感じているフリをするハメになる。
また、口説いた時はやる気満々だったが、ホテルに入ってから猛烈な睡魔が襲ってきた時、横になると眠ってしまいそうなため、仁王立ちフェラや立ちバックなど、立った状態でのプレイが大好きなキャラを演じきった男性もいる。キャラを演じるといえば、女性の陰部があまりにも臭った際、これまたオッパイ星人を熱演し乗り切った男性もいた。また、羨ましい部類では、「1日に2人のセックス予定が入っている時は、本命でないほうが手抜き気味になってしまうため、バレないように必死で演技する」という贅沢な悩みも挙げられた。
演技中のスタンスだが、「そのキャラに成りきろうと努力する」タイプと、「脳内で別の女性を想像し、表面的には息遣いや喘ぎ声など、無難な演技で乗り切ろうとする」タイプは半々といったところ。どちらを選択するにしても、バレないよう細心の注意が必要である。女性の勘は鋭い。三流男優程度の演技ではすぐに見破られてしまうだろう。ハリウッド俳優並みの演技力で臨んでいただきたいものだ。
(文=菊池 美佳子)