出演作品2000本超、現役AV女優にして監督もこなし、琥珀うたを擁する事務所の社長でもある、Myu(ミュウ)。しかもつい最近、密かに出産し一児の母となった。国立大学を卒業、就職した金融会社でも優秀な成績を収めた彼女はなぜ、アダルトの道を選んだのか。そして母となったいま、彼女が目指す道とは…。出産直前に行われたインタビュー!
──まずはアダルトの世界に入るまでの生い立ちを教えてください。
「東北の田舎で生まれて…あ、プロフィール上では神奈川ってことになってるんですが(笑)」
──まあ、よくあることですけどね(笑)。
「子供の頃は家がすごいお金持ちで…小学四年生までは家にお手伝いさんもいて、通学も車で送り迎えしてもらって、ほしい物は何でも買ってもらえて…って生活をしていたんです」
──いきなりマンガの設定みたいな話ですね。
「でも、父が知人の保証人になったのがきっかけで、小学四年生のときに突然すごい貧乏になっちゃって…給食費も払えないくらいだったんで、学校でも散々いじめられて。だから、中学~高校は友達もいませんでした。することもないんで、勉強ばっかりしてましたね。だから、人の目をずっと気にしていて、周りの人にどうやったら気に入られるかってことばっかりを考えてました。誰も学級委員になろうとしなければ『私がやります』って言えば先生は喜ぶだろう、みたいな」
──いわゆる優等生タイプですね。
「それだけ勉強してたんで国立の四年制大学に入ることができて。それなりに遊びましたけど、成績優秀で真面目に卒業したあと、金融関係の会社に入ってOLをやってました。そこでもひたすらがんばった結果、400人くらいいる営業所の中で成績が2位にまでなったんです。でも、それだけがんばっても給料はあがらないし、これからずっとこの苦労を続けないといけないんだ、ってことに気づいちゃって、過食になって…でもリストカットをするコと違って過食だと心配されないじゃないですか(笑)。それで突然心が折れて…24歳の誕生日に会社を辞めたんです。それと同時に街中でスカウトマンを探してAVの事務所を紹介してもらって。でも、毎日AVの仕事がある訳でもないから風俗でも働いてました」
──会社をドロップアウトして選んだ選択肢がAVっていうのも結構唐突ですよね。
「単純にお金が稼げるっていうのもありましたね。親の借金があったんで。それと、『セックスが上手い方がオトコと仲良くなれるんだ』って思い込みもあって。大学の時から楽しい遊びに連れて行ってくれそうな人とかを見つけては日替わりでやってましたから」
──コミュニケーションの手段としてのセックス、っていう感じですね。
「そう。だから一回もイッたこともないし、アンアン喘ぎながら『早くイかないかな』って考えてるだけでしたね。だから、AVに出ようと思った理由には『セックスの”技術”があがればいいな』っていうのと『AV男優とするのは本当に気持ちイイのか?』っていう興味がありましたね」
──ちなみにその借金は今は…
「完済しました」
──その全体額って、ちなみにどのぐらい…?
「名字のついていたビルが全部差し押さえられてましたから、かなりの額であったことは確かですね」
──少なくとも億単位はあるってことですか…。
「まぁ、額のことはイイじゃないですか(笑)。最近、母親が入院して、いろいろお金も入り用だろうと思って、ずっとお金を貯めていた通帳を持って行ったんですけど、それで足りたみたいです。『東京はお金が稼げるんだよ』って(苦笑)。40の時の子供だったし、色々とあってもう家族は3人きりなんで…。お互い、迷惑をかけまいとして借金の話はほとんどしてなかったんで、どのくらいの額があるかは最近まで知らなかったんです」
──アダルトの仕事を生業としてもう10年近くになりますよね。
「いま11年目ですね。最初、半年くらいは事務所に所属してたんですけど、すぐにフリーになったんです。いま思えば傲慢だったんですね。リピートの仕事も多かったし、単体でもないから営業してくれる訳もなくて『事務所は関係ないかも』って思って。ただただ、仕事とお金が欲しかったんです。いま思えば本当にかわいがってもらってたんだな…って思いますけど。再会して『かわいがってたつもりだったんだけどな~』なんて言われたりして。でもいま、その頃出会った方に手伝ってもらってるんですよね」