今週、伝説的なAV女優の訃報が相次いだ。1980年代に一世を風靡した冴島奈緒(享年44)さんと、数年前まで現役で活躍していた苺みるくさん(享年31)の逝去が判明したのだ。
「伝説の美乳」と呼ばれた冴島さんは、9月29日にがんのため死去していたことが明らかになった。1985年にグラビアモデルとしてデビューした彼女は、往年の人気番組『11PM』(日本テレビ系)のコーナー「秘湯の旅」のセクシーリポーター・うさぎちゃんに起用されて注目を浴びた。87年にAVデビューし、その美貌と華奢なボディからは想像できないような豊満なFカップ乳で世の男性たちを魅了。88年には当時の人気AV女優である斉藤唯、葉山みどりとアイドルユニット「RaCCo組」を結成した。「恵比寿マスカッツ」がメジャーになった今でこそ、AV女優のアイドル活動は珍しくないが、当時は画期的でAV女優による芸能活動の先鞭をつけたといえる。
90年代にAVを引退した彼女は、米・ニューヨークでヌードモデルなどの活動を開始。数年後、帰国してAV業界に復帰し、数多くのファンを喜ばせた。その後はAV活動を休止し、ロックバンドのボーカル、執筆業、ビューティーカウンセラー、ヨガのインストラクターなど幅広い分野で活動していたが、ここ数年は深刻な体調不良に悩まされていたという。
関係者によると、5年前にがんを発病。ブログやTwitterでも「闘病に次ぐ闘病」と記しており、最近は歩行が困難になるほど病状が悪化していたようだ。冴島さんと親交のあった元AV女優・小室友里は、自身のTwitterで「一緒になんかやろうね!って連絡取ったのが3ヶ月前。奈緒ねぇ、早すぎる…。もう一度会いたかったよ。女同士で話したかったよ。やっとそれが叶うと思ってたのに」と早すぎる死を惜しんでいる。
一方、苺みるくさんの死は、発売中の「週刊新潮」(新潮社)が伝えている。同誌によると、彼女は鬱病を患っていたらしく、3週間ほど前に東京・中野の自宅で自ら命を断ったという。 00年暮れに『好きです』(KUKI)でAVデビューした彼女は、小悪魔チックなロリータフェイスとスレンダーボディで人気を博し、01年の『Adult Video GRANDPRIX』で最優秀女優賞を獲得した。
その後も順調に出演作品を積み重ねていった彼女だが、福岡ソフトバンクホークスの吉武真太郎投手(現在は引退)との関係のもつれから05年7月に自殺未遂を図り、直後に「私を弄んだ吉武投手を許せない!」と題した告白記事が週刊誌に掲載される騒動になった。自殺未遂から1週間後にも失踪騒ぎを起こし、以後は業界から距離を置くようになったが、08年にAV女優として復帰。しかし、数作品に出演したのみで再び表舞台から姿を消しており、近年は東京・渋谷のデリヘルや吉原のソープに在籍していたことが確認されている。AV関係者によると、09年ごろから精神的に不安定になり、所属事務所も連絡がつかない状態だったという。
キラ星のごとく現れて我々を魅了してくれた彼女たち。花の命は短くて……というが、あまりにも早い死が残念でならない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)