キムタク神通力もはやナシ! 月9視聴率が米倉涼子に完敗

※イメージ画像:フジテレビ公式サイトより

 10月下旬となり、23日スタートの『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(フジテレビ系)以外、すべての新ドラマが放送開始となった。山口智子が女優復帰し、また宮崎あおいが民放ドラマに久々出演となった『ゴーイングマイホーム』(同)は、初回13%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)と平均的数字。同じフジで低視聴率に苦戦していた日曜9時枠で初回14%を獲得した深田恭子主演の『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』は2話で早くも一桁台に、また同枠の裏番組でSMAP香取慎吾と山下智久がタッグを組んだ『MONSTERS』(TBS系)は初回2時間スペシャルを組むも13.8%にとどまった。

 そんな中、相変わらず好調なのは、『相棒』(テレビ朝日系)である。シーズン11にして、過去最高の初回視聴率19.9%をマークしており、人気が衰えるどころかますます強力になっていることをうかがわせる。トップの『相棒』に次ぐ初回視聴率2位は、同じくテレ朝の『ドクターX~外科医・大門未知子~』の18.6%だ。米倉涼子がクールな女医を演じる本作は、意外にも他作品を圧倒する高視聴率を弾き出した。

「若者の恋愛モノやトレンディドラマよりも、警察・医療のほうが手堅く、どこの局も力を入れてやっているのがここ数年の特徴。しかしあまりに似た系統の作品を乱発しているため、マンネリ感も否めなくなっています。同じ警察・医療モノでも、若手俳優をたくさん集めただけでストーリーが薄く、一桁台に終わってしまう……という苦い展開も多発していますしね」(番組制作関係者)

 そして22日、木村拓哉主演のフジ月9ドラマ『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』が満を持してスタートしたが、盛り上がるプロ野球クライマックスシリーズの裏だったことが災いしてか、初回視聴率は16.9%。テレ朝の2作品に次ぐ3番手という結果に。1996年に『ロングバケーション』(フジ)で大ブレイクして以降、16年の長きにわたって木村の主演ドラマは、すべて初回視聴率20%超えという数字を叩きだしてきた。その記録が今回、破られることになってしまったわけだ。

 しかしこれまで木村の生み出した記録は凄まじい。『ロンバケ』は平均視聴率29.6%、翌年の『ラブジェネレーション』(フジ)は平均30.8%、00年の『ビューティフルライフ』(TBS)が平均32.3%、さらに01年『HERO』(フジ)は平均34.3%と、あらためて振り返れば驚異的な数字ばかりだ。07年の『華麗なる一族』(TBS)も全話20%越えで、関西地区では特に人気が高く初回から30.5%。その後も関西では5度も30%超えを記録し、最終回は39.3%と40%に迫る勢いだった。陰りが見え始めたのは、09年の『MR.BRAIN』(TBS)だ。初回の24.8%が最高で、以降は伸び悩み、平均値は20.5%。翌年には久々のトレンディドラマで美女たちとの恋模様を描いた月9『月の恋人~MoonLovers~』(フジ)に取り組むも、初回こそ22%だったが平均は16.8%で、最終回も20%を下回り、『ロンバケ』以降でもっとも平均視聴率が低い作品となった。さらに昨年、巨額の製作費を投じて南極ロケが敢行された『南極大陸』は第5話で13.2%の最低視聴率を記録した。

「これまでが異常だっただけ。初回16%超えなら、今の連ドラとしては“超”がつくほど優秀じゃないですか。昔はキムタクだから、というだけで視聴者が飛びついていたのかどうかわかりませんが、今はそういう時代じゃない。時代が変わったんです。『キムタクはオワコン』なんて陰口を叩くテレビマンもいますが、キムタク本人の演技力や容姿の老け具合なんかじゃなく、彼に過剰な期待を寄せすぎているテレビ局側が問題。今回のドラマだって、キムタクのキャラクターに頼り過ぎで、肝心の演出は粗い。キムタクの自宅がいきなり爆破されるとか、コメディというよりコントでしょ(苦笑)。ただ、キムタク主演でも視聴率がそこまで爆上げされないということが判明すれば、今後、彼の商品価値も値崩れしてしまう可能性はありますよね」(前同)

 視聴率だけで作品や役者の良し悪しを定めることは決してできないが、今作は木村本人にとっても、「木村拓哉」というブランドイメージを保てるかどうかの正念場になりそうだ。

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