年末のNHK紅白歌合戦の応援隊に起用が決定したことで、4年連続5回目の紅白出場が確定的になったAKB48夏に東京ドーム3days公演を成功させ、8作連続でシングルがミリオンを達成するなど、その勢いは最高潮に達している。
だが、その一方でスキャンダルが頻発や楽曲の迷走など不安要素もあり、ファンからは「ブームの終焉は近い」「おニャン子クラブの最後に似ている」という声が上がっている。
AKBは恋愛禁止という鉄の掟がありながら、ブーム以前からプリクラ流出などのスキャンダルは多かった。とはいえ、今年に入ってからは異常事態といえるほど決定的な醜聞が増えている。1月にAKB1期生の平嶋夏海(20)と3期生の米沢瑠美(21)が、男性とのプライベート写真が複数流出したことで脱退。さらに米沢は脱退後にスポーツ紙のインタビューで「AKB時代も(彼氏が)いたことは全然ある」と発言し、ファンに衝撃を与えた。
2月には、中心メンバーの一人である高橋みなみ(21)の母親が、息子の中学校の先輩だった少年(当時15歳)とワイセツな行為をしたとして青少年健全育成条例違反容疑で逮捕されたことが判明。高橋自身に罪はないとはいえ、現役アイドルの母親が淫行で逮捕されるという事件は前代未聞であった。
6月には選抜総選挙で4位と躍進した指原莉乃(19)の大スキャンダルが発覚。AKB加入後にファンの男子学生と交際していたことを週刊誌に報じられ、その元カレに「さしこは超肉食系でした」と暴露された。下着姿のエロ写メを送っていたことや、別れを切りだした元カレに「エッチだってしたのにふざけんなよ!」と書いたメールを送ったことなども明らかになり、指原はHKT48に移籍という処分を受けた。指原はかねてから「男性と付き合ったことがない」「ケータイに登録してある男性のアドレスは父と兄だけ」などと公言していただけに、裏切られた気持ちになるファンも多かったようだ。
まだまだスキャンダルは続き、8月下旬に卒業した前田敦子(21)と現センターの大島優子(23)、JKT48行きが決定した仲川遥香(20)が、俳優・佐藤健(23)らと合コンしていたことが判明。カラオケパーティという名目だったため処分はなかったが、前田が泥酔した挙げ句に号泣し、お尻を丸出しにして佐藤に抱きかかえられている写真はファンに衝撃を与えた。
さらに、9月中旬にAKBメンバーの佐藤亜美菜(21)と近野莉菜(19)が深夜に合コンをしていたことも発覚。お相手はミュージカル「テニスの王子様」などに出演している若手イケメン俳優の廣瀬大介(21)と志尊淳(17)だった。この合コンはカラオケ店で深夜から早朝まで7時間にわたって行われたとされているが、17歳の志尊がいたことで都条例違反の可能性も指摘されている。AKBメンバーからの公式コメントは出ていないが、廣瀬は27日付の自身のブログで「許されることだと思っていません」などと謝罪する事態となった。
これらスキャンダルの頻発に加えて、楽曲の迷走ぶりもブーム終焉につながりそうな気配だ。8月に発売された前田卒業後の新生AKB初のシングル「ギンガムチェック」は、「カップリングぽい曲」「ヘビーローテーションのようなインパクトが無い」「印象に残らない」などとファンから大不評。大島がハイキックをしてパンチラする振り付けだけが話題になった。
先日テレビで初お披露目された10月発売の新曲「UZA」も、「声を加工しすぎて誰が歌っても一緒」「K-POPみたい」「男性ダンサーを入れる意味が分からない」といった批判が起きている。これまでのイメージと違ったダンス系のナンバーだったが、アイドルとしてのAKBを求めているファンにはあまり受け入れられていないようだ。
不動のセンターだった前田の卒業もAKBの人気に影を落としている。プロデューサーの秋元康氏はかつて、「(モーニング娘。は)安倍なつみやゴマキに匹敵するメンバーが加入してもないのに卒業させちゃったでしょ」と発言し、人気メンバーの卒業と新メンバー加入を繰り返したモー娘。の失敗を指摘した。だが、AKBも前田の存在感に匹敵するメンバーが育っているとは言い難く、同じ失敗を繰り返してしまう危険性がある。
上るところまで上り詰めたら後は落ちるだけなのが世の常であるが、秋元氏は「(AKBを)定番の存在にしたい」と意気込んでいる。絶頂期の後に迷走期に入って人気が急降下するグループは多いだけに、AKBが同じ轍を踏まなければいいが…。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)