セクハラ・ダイス賭博…人気ゲーム『ドラクエ10』に問題続発

※イメージ画像:SQUARE ENIX「DRAGON QUEST X」公式サイトより

 人気ゲームの最新作『ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族』(スクウェア・エニックス)に問題が多発している。

 8月初旬にニンテンドーWii向けとして発売された同作は、シリーズ初のオンラインゲーム方式を採用し、他のプレイヤーと協力したり会話を楽しみながら冒険できる。購入後も利用料金を払わなければいけない形式のため敬遠するユーザーが出るかと思われたが、売上本数50万本を突破しており、オンラインゲームでは異例の人気となっている。

 だが、オンラインゲームになったことで今までのシリーズでは起きなかった問題が次々と発生しているようだ。

 公式サイトにはプレイヤーが攻略情報などを教え合う掲示板が設置されているが、そこで8月30日に「セクハラ被害」を訴える投稿が書き込まれた。あるユーザーに「仲間に入れてください」といわれてパーティーを組んだという投稿者は、相手から「むね何カップ?」「やわらかい?」と聞かれ、「分からない」と返答すると「今むね触って確かめて」などと言われ、非常に不快な思いをしたという。

 チャット機能を搭載したオンラインゲームでは、セクハラや迷惑発言はつきものといった側面があるが、安心感のあるドラクエの世界でセクハラが起きたことは衝撃だったのだろう。オンラインゲームでは、セクハラだけでなく「見抜き」という行為もある。これは他のユーザーが操作する女性キャラを見ながら自慰をするという行為であり、相手に話しかけてから「見抜き」をする場合もある。それだけでなく、ユーザー同士が仲良くなることで出会い系化する危険もある。ドラクエは小中学生やオンライン初心者が多いだけに不測の事態が起きないとは言い切れない。

 また、チャット機能を利用して1~100までの数字がランダムに表示される「ダイス」という機能があるが、これが賭博に利用されていると指摘されている。プレイヤー同士がゲーム内通過「ゴールド」やアイテムを賭け、「数字が大きい方が勝ち」などといったルールで勝負しているのだ。胴元に有利な賭けルールで言葉巧みに相手を誘うユーザーも確認されており、判断能力の低い小中学生がカモになっているようである。

 これだけならば仮想空間でやっていることなのだから大きな問題ではないが、ヤフーオークションなどでゴールドは現実のお金で売買(リアルマネートレーディング=RMT)されており、関節的な賭博だという見方もできる。賭博の場を提供していると当局に判断されれば、開発元が賭博開帳罪に問われることもあり得る。

 これについてスクウェア・エニックスは「ユーザー同士のアイテムなどの交換行為は当社が主体的に実施しているものではなく、かつ、外部Webサイトでのアイテム等の売買は利用規約において禁止している」とし、同社が賭博罪・賭博開帳罪に問われる可能性はないという認識を示した。外部サイトの売買にまで責任は持てないというのは仕方ない部分もあるが、子どものユーザーが多いだけに悪影響が心配である。

 これらの問題は、ドラクエに限らずオンラインゲームやスマホ向けゲームアプリでも起きてきたものだ。だが、国民的ゲームの最新作ということもあって、プレイ人数や話題性が段違いであるため大きな騒動になっているのだろう。ドラクエの問題に当局が目を付ければ、ケータイゲームに続いてオンラインゲームに何らかの公的規制が入る可能性もありそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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