──恋愛を楽しむ暇もなさそうだね。初恋はいつごろ？
「小学校6年生です。相手は面白くてクラスで二番目ぐらいに目立っていた男の子（笑）」
──一番目じゃないんだ（笑）。その男の子に思いは伝えたの？
「一回も伝えられなかったです。中学校の3年間、ずっと片思いでした」
──え～！ スゴい一途なんだね。中学生にもなると男女交際をする友達も多いでしょう。
「そうですね。羨ましかったです」
──その当時、思い描いていた理想の恋愛ってあった？
「中学でカップルになった人たちは、どちらかの家まで一緒に帰っていたので、それが羨ましかったですね。男の子と付き合っている友達にいろいろ訊いて、キャーキャー言っていました（笑）」
──3年間、片思いをしていた男の子の後、すぐに好きな人は見つかった？
「それが高校に入っても、ぜんぜん好きな人が出来なくて、私は一目惚れって経験がないんですよね」
──ルックス重視ではないんだ。
「最初は見た目から入りますけど、一貫したタイプはなくて。今まで好きになった人を思い出すと、いろんなタイプがいますね。ただ可愛い系の男の子は好きにならないです」
──性格的に重視するのは？
「私が優柔不断なので、いろいろ決めてくれる人がいいですね。あと面白い人」
──ちなみに学生時代に抱いていた将来の夢は？
「幼稚園の頃から看護師になりたかったです。お母さんが看護師だったんですよ」
──身近で見ていると大変な仕事だなって感じそうだけど。
「大変だよって聞かされていたんですけど、その姿がカッコ良かったんですよね。それに世界共通で人から必要とされる職業だと思うので、その夢は今も継続しています」
──モデルや女優みたいな人前に出るような仕事をしてみたいって願望はなかったの？
「全くなかったですね。身長が小さいので、その時点でアウトかなって思って、そういう世界とは縁がないんだろうなって」
──背が小さいことはコンプレックスだった？
「背が小さいと足が短く見えるじゃないですか。新体操は足を長く見せたいから余計にコンプレックスでしたね。それに夏にワンピースを着ると、普通だったらひざ上なのに、私はひざ下になっちゃって。だから着るものも困りますね」
──ところが、これから歩美ちゃんは自分と縁がないと思っていたような人前に出る存在であるAV女優になる訳だけど、どういうキッカケでデビューが決まったの？
「スカウトです。ほとんどAVって見たことがなかったので遠い世界で、自分がかかわることはないんだろうなと思っていたんですけど、声をかけられて話を聞いてみて、小柄な私でもなれるんだと思って興味を持ったんですよね。内容的にも面白そうだなって思いましたし、S1さんに面接に行ったり、宣材写真の撮影をしたりという活動が予想以上に楽しかったんですよ」
──もちろんS1ってメーカーの存在も知らなかったよね。
「知らなかったですね。初めてパッケージを見せて貰った時はキレイで、私もこんな風になれるのかなって思いました」
──宣材写真の撮影は事前に準備や研究はしていった？
「何もせずに臨みました。私、普段から女性ファッション誌もあまり読まないから、撮影っていうのが想像つかなかったんですよね」
──撮影で苦労したことは？
「時間がどんどん押していっちゃって、私がうまくできないから『どうしよう～！』って申し訳ない気持ちでした」
──自分のことよりもスタッフの心配をしていたんだ（笑）。大勢の前で撮影される恥ずかしさはなかった？
「最初はありました。水着撮影もあったので、ちょっとソワソワしましたね。それに思ったよりもカメラマンさんを始め、アシスタントさんや照明の方などスゴく大勢の人がいるんだなって驚きました」
──プロの方にメイクをされるのはどうだった？
「どんどん自分が変わっていくのが面白かったです。ここまでちゃんとメイクをしたことがなかったので参考にもなりました。衣裳も普段よりフリフリした可愛い系の洋服で、ちょっとチャレンジしたいけど自分では無理だろうなって思っていたタイプの洋服ばかりだったので楽しかったですね」
──ちなみに普段はどんな感じのファッション？
「カジュアルですね。ショートパンツにTシャツ、みたいな」
──実際に上がってきた写真を見てどんな感想を持った？
「自分とは違う人がいるって変な感じでしたね。ただ自分の写真を見るのが恥ずかしくて、遠目から確認しました（笑）」
──初めての撮影で意識が変わった部分ってあった？
「笑った時に癖で右目が下がっちゃうんですよ。写真を撮られて初めて気付いて、毎日、鏡を見て直そうと努力しています。あと、いろんな表情を見つけるのも課題ですね」
──恋愛経験も性経験も少ないのに、これからAVデビュー作の撮影で不安も大きいんじゃない？
「何が不安か分からないのが不安だったりするんですけど（笑）。楽しみな部分も大きいですね」
──最後に今後の目標を！
「デビュー前なのでどこをどう頑張るかも手探りなんですけど、がむしゃらに頑張って、私を見てくれている人に元気を与えたいですね」
（取材・文＝猪口貴裕／写真＝辰巳千恵）
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