5人組の人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ(通称ももクロ)」のライブが14日に神戸ワールド記念ホールで開催されたが、そこでメンバーに対する“痴漢事件”が発生したようだ。
大盛り上がりとなったライブ終盤、代表曲の一つ「ココ☆ナツ」を歌っている最中にメンバーたちが客席の間を駆け抜けるパフォーマンスを披露。リーダーの百田夏菜子(18)と、黄色がイメージカラーの玉井詩織(17)が客席で炭酸ガスを噴射して会場を沸かせ、ステージに戻ろうとした。百田は何事もなくステージに戻れたが、客席通路を通った玉井の身体に通路側のファンの手が殺到した。
ハイタッチなどのスキンシップであれば問題ないが、このボディータッチは度を越していたらしく、曲が終わるまで玉井はステージに戻れず。何とか戻った玉井は呼吸が荒く、明らかに怯えた表情になっていた。
会場にいたファンたちのネット書き込みによると、「しおりん(※玉井)は顔や腕やオッパイを触られていた」「小太りのファンがニヤニヤしながら胸を揉みまくっていた」「痴漢した奴らは『触らな損やで』と言っていた」といった許しがたい行為が繰り広げられていたようである。さらに「しおりんはステージに戻ってから鼻を押さえていた」という証言もあり、ファンの手が顔に当たって負傷した可能性もありそうだ。
スタッフ側も問題を認識したらしく、ももクロの衣装を担当する米村弘光氏はライブ後に自身のTwitterで「モノノフ(※ももクロのファン)の笑顔は…最高でした…(中略)ただ…正義感を放りかざすつもりはないですが…ほんの一部の心無い人の行為は…本人達を怖がらせてしまう事も事実です。このままだと…できなくなってしまう可能性もあるかも…デス」(原文ママ)と発言。この言葉からも、玉井をはじめとしたメンバーたちが痴漢行為に恐怖したことがうかがえる。
一部ファンのマナーの悪さは言語道断であるが、運営側の演出ミスを指摘する意見も上がっている。客席通路は人がやっと擦れ違える程度の幅しかなく、フェンス等も用意されていなかったため、手を伸ばせば容易に触ることができた。メンバーたちや運営側はマナー違反をするファンがいないと信じたかったのだろうが、ポストAKB48といわれるほどの人気者に成長したももクロはファンが急増しており、どうしてもマナー違反をする者は現れる。AKBも握手会などでファンのマナー問題が発生しているが、ももクロも全てのファンを信じきることは難しくなっているようだ。
アクシデント的にファンによる“お触り”が発生したももクロに対し、ファンに自ら身体を投げ出したアイドルグループもいる。
アイドルのタブーや限界に挑む“暴走アイドル”として知られる5人組「BiS」は、13日に開催された新宿LOFTでのライブにてスクール水着で登場。それだけでもファンは大興奮だが、メンバーのテラシマユフ(21)とミチバヤシリオ(20)がスク水のまま客席にダイブし揉みくちゃ状態になった。
彼女たちは全裸に見える格好で森の中を走り回るPVで話題を集め、ステージ衣装のままでファンとの「ハグ会」を開催するなど、破天荒なスタイルで知られる。とはいえ、本人の意思でファンに触られまくったアイドルというのは前代未聞だろう。
AKBは「会いにいけるアイドル」と称して大成功したが、この一連の騒動に対してネット上では「ついに“揉めるアイドル”の時代到来か」といった声も上がっている。
だが、ももクロのような年端もいかない少女たちに対する暴走行為は、もはや犯罪といっても過言ではない。それだけでなく、今回のような問題が続けばファンとの距離を縮める演出ができなくなるだろう。マナー違反をするファンがこれ以上でないことを祈ると同時に、彼女たちを守る運営側には更なる注意をお願いしたい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)