デヴィ夫人が「いじめ問題」加害者の顔写真をブログで公開するも別人だった!?

 元インドネシア大統領夫人でタレントのデヴィ夫人(72)が、自身のブログで大津市いじめ問題に対して怒りをあらわにし、加害者とされる少年や担任教師らの実名や顔写真を掲載して物議を醸している。

 10日に自身のブログ「デヴィの独り言 独断と偏見」を更新したデヴィ夫人は、「加害者について とんでもない事実が 次ぎ次ぎ発覚しましたので ここに 列挙したいと思います。ネットで検索すると 色んな情報が 掲載されていますので、皆さんも 是非 色々調べてみて下さい」と記し、ネットで知ったという加害者グループの情報を書き込んだ。

 デヴィ夫人は度々ブログで社会問題に言及しているが、タブーのない歯に衣着せぬ物言いがネットユーザーの間で高評価を得ている。だが、2ちゃんねるなどで“真実”とされている情報はデマも多く、今回は勇み足の部分が大きかったようだ。

 デヴィ夫人は、加害者グループのリーダー格である少年Aの母親が地元の女性団体の会長を務めていると記したが、これは同姓同名の別人である。ネット上でいわれているように、この母親が当時PTA会長だったのは確かであるが、当該の女性団体とは無関係だった。

 また、被害者の少年が搬送されたという病院に、元警察官である加害者少年Bの祖父が天下っているとも書かれているが、これも事実無根だったようだ。このネット情報によって同病院には電話が殺到し、公式ホームページで「当院および当院の職員は、一切関係がございません。つきましては、この件に関して電話等をたくさん頂戴しますが、救急病院である当院の正常な診療に支障をきたしますので、良識ある言動をお願いします」と院長が呼び掛ける事態になっている。

 さらにデヴィ夫人は、有名なネタ画像「チャリで来た」にAの顔を合成したコラ画像を掲載した上で、全く無関係の少年を加害者少年Cと名指ししている。ネット初心者が陥りやすいミスともいえるが、これはあまりにもお粗末だろう。

 そもそも、ネット上で加害者グループや担任教師とされている画像は、今のところ本人のものであるという確かな証拠がない。「ネットで“真実”を知った」という気持ちになるのも理解できなくはないが、影響力の大きい有名人でありながら真偽不明の事柄を確定情報のように書き込むのは問題だといえるだろう。

 本人の判断かブログ運営会社の判断かは定かでないが、翌11日に加害者グループや担任教師の画像は削除され、明らかにデマと分かった情報も消されたが、事情説明などは追記されていない。

 「私は日本のテレビに出られなくなっても困らない」と公言するデヴィ夫人は、これまでもタブーを無視して「現皇太子を廃嫡し、皇太子位を秋篠宮文仁殿下へ移譲するべき」といった独自の主張をブログ上で展開してきた。今回のいじめ問題への言及もタブーを恐れない彼女だからできたことであり、正義感ゆえに書き込んだのだろう。

 しかし、事件と無関係の個人が不確かなネットの情報を基に加害者を吊し上げることに、果たして正義はあるのだろうか。デリケートな問題であるだけに、ブログのタイトルにもなっている「独断と偏見」が過ぎるのは困りものである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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