主演の沢尻エリカ(26)が「大麻常用者」であることが暴露され、7月の公開も危ぶまれている映画『ヘルタースケルター』。渦中の沢尻は「役にのめりこみすぎた」という理由で休養状態で、本来受けるはずだった映画関連の取材は軒並みキャンセル、満足な宣伝活動はできていない。それでも沢尻が果敢に挑んだ全裸セックスシーンが話題となり、試写を見た記者たちは週刊誌などで競うように「いかにエロティックだったか」明かしている。評判が評判を呼び、マスコミ向け試写会は大盛況。「30分前に会場に到着したら、すでに満席と帰された」という声も相次ぐほどだ。
だが、どんなに事前評判が良くても、公開に至らず「お蔵入り」してしまっては元も子もない。沢尻が大麻をはじめとする違法薬物を常用していると報じた「週刊文春」(文藝春秋)では、彼女の夫である高城剛氏もインタビューに応じ、「今回のことで、今後、日本とスペインの警察が動く可能性もある」と明言している。現在のところ、テレビマスコミは沈黙を保っているが、仮に沢尻が「現行犯で逮捕!!」となれば、押尾学や酒井法子が逮捕されたときのように手のひらを返すだろう。一部芸能記者の間ではこんな声も聞こえる。
「沢尻ではなく、彼女を起用していればこんなことにはならなかったのに……」
この「彼女」とは、かつて天下の歌姫として人気を博した浜崎あゆみ(33)のことだという。というのも、マンガ原作の『ヘルタースケルター』映画化にあたって、当初は浜崎あゆみの名が主役「りりこ」の候補として挙がっていたというのだ。
「デビュー作の『さくらん』を撮り終えてすぐの5年前から、蜷川実花監督が『やりたい』と熱望していた同作ですが、原作者の岡崎京子は1996年に自動車事故で重傷を負い、長きにわたってその後遺症と闘病中で、なかなかGOを出せる状況にはならなかった。蜷川監督は確かに主演として浜崎を起用したがっていましたが、製作できるのか全く未定の作品だったため、いったん話は流れたんです。その当時、沢尻エリカはまだスターダストプロモーションに所属していて、ここまでスキャンダルまみれではなくフツーの女優でしたし、まさか彼女で撮ることになるとは誰も思っていなかったでしょうね」(芸能記者)
一方、発売中の「アサヒ芸能」(徳間書店)では、「企画が持ち上がったのは6、7年前。当初は『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督で映画化の話が進行していた」とある。行定監督は02年に浜崎あゆみの「初主演映画」と銘打たれた短編映画『月に沈む』のメガホンをとっている。これは彼女の28枚目のシングル「Voyage」をもとにした作品で、わずか10日間の限定上映だった。この縁もあってか、行定監督がヒロインに浜崎を指名したのだというが、過激なヒロイン設定に浜崎サイドはNG。企画がいったん白紙に戻り、蜷川監督で話が進むと、浜崎は「懇意にしている実花サンなら是非やりたい」と翻意して所属事務所幹部に直訴したという。
その後も映画化の話は二転三転。昨年ようやく原作者側との交渉が成立し、今年2月にクランクインとなった。主演の座を射止めたのは、この数年間ですっかりワイドショー常連のスキャンダル女優となった沢尻エリカ。同作の映画化が進行しているという話を聞きつけ、「絶対にこの役で復帰したい!」と言い張ったのだという。常軌を逸した発言や行動に出るものの、アッケラカンとした性格ですっぴん美人の小物女優・沢尻より、かつて芸能界の頂点に君臨し転落の恐怖を味わった浜崎あゆみの方が、「りりこ」にはふさわしかったような気もするが……。
沢尻さんって代表作コレだけだもんね