フジテレビが虫の息 視聴率低迷と相次ぐ社員不祥事

※イメージ画像:フジテレビオフィシャルサイトより

 テレビ業界に異変が起きている。5月1日、テレビ朝日が月間視聴率で開局以来初の4冠を達成したことが発表された。次いで日本テレビが好調であるが、これまで圧倒的な強さだったフジテレビが大失速している。2011年度の視聴率でも、7年に渡って首位を守ってきたフジが陥落し、日テレが3冠を達成したが、フジの不調は今年に入っても続いている。

 フジといえば、4月にスタートした日曜9時のドラマ『家族のうた』が歴史的な視聴率低迷によって8話で打ち切り決定したことが大きな話題となっている。また、4月には朝の同時間帯トップを堅守してきた看板番組『めざましテレビ』が、日本テレビ系の『ZIP!』に初の敗北を喫した。さらに、社員の不祥事も多発しており、20日に社員の吉田高次容疑者(31)がタクシーから降りる際に暴れ、運転手への暴行と器物破損の疑いで逮捕されている。先日も伊藤利尋アナウンサー(39)が車を運転中に女性と接触し、そのまま走り去るという不祥事があったばかり。伊藤アナは「接触に気付かなかった」と生放送で釈明したが、ニヤケながらの謝罪は局のイメージすらも悪化させるものだった。

 フジの失速を象徴する出来事はまだ終わらない。21日、日本PTA全国協議会が小学5年生と中学2年生の保護者らを対象にした『子どもとメディアに関する意識調査』のアンケート結果を発表したが、毎年恒例の「保護者が子どもに見せたくない番組」で、ワースト10にフジの番組が6本もランクイン。『志村けんのバカ殿様』『めちゃ×2イケてるッ!』『ピカルの定理』『はねるのトびら』といったバラエティーのみならず、ドラマである『私が恋愛できない理由』『蜜の味』もランク入りするという異例の結果になった。「子どもに見せたい番組」のランキングでは、『サザエさん』のみが9位に滑り込むという悲惨な結果だ。

 以前のフジであれば、PTAの批判は番組に勢いがある証拠といえるが、「見せたくない」に選ばれた番組が特に好調というわけでもない。「楽しくなければテレビじゃない」を合言葉に、80年代から絶対的なメディアの王者として君臨してきたフジは、一体どうしてしまったのか。

「今まで視聴者を操作してブームをつくり上げていたフジですが、その手法が古くなってしまったことに上層部が気付いていない。局全体が総出で盛り上げた韓流ブームも結局は定着せず、一部の熱狂的ファンを生んだのみで下降線に入っている。同局の視聴率不振の一因は、夕方に放送している韓国ドラマの不人気でもあります。その上、情報番組や歌番組で韓流アーティストを取り上げ続けたことで視聴者に飽きられた」(芸能関係者)

 フジと韓流といえば、俳優・高岡蒼佑(30)のTwitterでの発言をきっかけに、同局の韓流ゴリ押しに反対するデモ活動まで起きたことがあった。大手メディアでは報道されなかったため、ほとんど影響はないと思われていたが、水面下でジワジワと視聴者のフジに対する不信感が募っていたのかもしれない。

 フジの得意とするバラエティーの視聴率が全体的に低調なことも、失速の大きな要因だろう。以前は熱心にバラエティーを見ていた若者層も、今はケータイやネットに忙しく、テレビをあまり見なくなっている。主要な視聴者層は中高年になっており、最近は落ち着いた雰囲気の番組の方がウケるようになってきた。今でも80年代の感覚から抜け出せず、にぎやかな番組を粗製乱造するフジテレビの落日は、時代の流れによる当然の結果といえるだろう。メディアの王者がこのまま没落するのか、時代に合わせた番組づくりに目覚めるのか、これからが正念場といえるだろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

 

『フジテレビデモに行ってみた! -大手マスコミが一切報道できなかったネトデモの全記録』青林堂

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