セックスの本来の趣旨とは、快楽を貪ることではなく、お互いの愛情を確認することであって、最終的には生殖活動に繋がる行為なのだから、愛のないセックスはNGである! ということは充分わかっていても、どうしても快楽面を優先させてしまうのがオトコの本能というものだろう。
セックスの快楽を堪能するには、相手がいないことには始まらない。オナニーは単独行動なので一人で没頭することも可能だが、セックスは相手があってこその行為である。恋人やセックスフレンドがいない男性は、まず相手を探すことから始めなければならない。
ところが、ご存知のとおり、この「相手探し」というのが、かなり難しいものである。イケメンだの大金持ちだの、自分自身に何らかのオプションを持っている人はさておき、一般的な男性は、セックス相手をゲットするのに四苦八苦していることだろう。
いや、一般男性とて、単なるセックス相手をゲットするのは、そこまで難しくはないのかもしれない。ただし、ほとんどの女性たちは、股を開く代償に、「真剣交際」という別枠オプションを求めてくるものだ。要するに、セックス相手をゲットするのが難しいのではなく、セックスしても別枠オプション(真剣交際)を求めてこない、サッパリした女性を見つけるのが難しいのだ。
そこでオススメしたいのが、「前の彼氏と別れてどれくらい?」という質問である。使い古された、ありきたりな質問だが、この言葉から、その女性のセックススタンスを読み取ることが可能なのだ。
さて、答えとして望ましいのは、「一年以上」など、彼氏がいない期間は、長ければ長いほどいい。特定のパートナーが不在の彼女たちは、「今、ここでセックスしておかなければ、次はいつセックス出来るかわからない」という本能が働いているのか、なんともあっさりと股を開くことが多いのだ。イマイチわかりづらいという人は、「ダイエット」に置き換えて考えてみてほしい。絶食ダイエットは、絶食明けに摂った食事を、身体が、「次にいつ栄養分が入ってくるかわからない」と、溜めこもうとするため、かえって太りやすいという見方がある。それと同じ原理というわけだ。
男性側としては、「一年以上も恋愛に飢えている女性は、一発ヤッただけで真剣交際を迫ってくるのでは?」と不安が沸くことだろう。確かに、それも一理ある。しかし、恋人不在期間があまりにも長すぎる女性は、「すぐに真剣交際を迫ると、男性は逃げる」ということを繰り返し学習してきているため、男性側が拍子抜けするくらいサッパリしているものである。
つまり「本当は真剣交際したいけど……ま、いっか」と、悟りを開いたような女性が狙いどころということになる。ヤリ逃げだの駆け引きだの、一般的に謳われている恋愛概念から解き放たれた「悟り女子」たちは、シンプルに「セックスを楽しもう」という最終局面まで来ているので、いい意味で実に扱いやすい。扱いやすいからこそ、男性側としても最低限の敬意は払うべきである。といっても、相手が悟り女子だからといって、崇め奉る必要はない。男性側もシンプルに、「余計な発言」をしなければいいのだ。「余計な発言」とは、「実はカノジョがいるんだよね」「仕事が忙しくて、当分カノジョを作る気はないんだよね」などの、「真剣交際防衛発言」。一般女子には、セックス後のピロートークにおいて釘をさしておく必要もあるが、悟り女子はすでに、「真剣交際を迫ると男性は逃げるので、はなっから期待していない」というスタンスなので、余計なひと言は不要なのだ。その余計な発言によって、「セックスは良かったけど、ひと言多い男だったわ」と思われてしまうのも不本意である。
そもそも悟り女子は、ピロートークもサッパリしているものである。彼女たちの特徴は、なんといっても「後戯を求めない」ということ。例の如く、恋人不在の期間に男心をこれでもかというくらい学習してきているので、賢者タイムについての理解もある。よって、セックス終了後はベタベタしようともせず、自ら背中を向けて会話を慎むものである。そこに、いちいち「真剣交際する気はないぞ!」ということを匂わせる必要はないだろう。
なお、悟りを開くまでに要する時間は、当然ながら個人差がある。数カ月で悟りの境地に達する女性もいれば、数年かかる女性もいる。だからこそ、「前の彼氏と別れてどれくらい?」という質問が有効なのだ。たいていの物事は時間が解決してくれるように、悟りを開くにも時間が重要。よって、「前の彼氏と別れて十年」などの女性は、悟りを開いている可能性が高い。もし身近にそういった女性がいたら、さっそく声をかけてみては如何だろうか?
(文=菊池 美佳子)