4月30日に放送された沢尻エリカ主演のスペシャルドラマ『悪女について』(TBS系)の平均視聴率が14.7%(関東地区)を獲得したとして話題を集めている。有吉佐和子原作の同名小説が映像化されるのは、1978年の週刊誌上で連載スタートしたすぐ後に連続ドラマ化された作品に次いで今回が二度目。原作のファンも多く、沢尻のテレビドラマ復帰という話題性も手伝い高視聴率に繋がったと思われる。そんな中、今回の高視聴率に別角度から貢献したのが、同ドラマに出演していた船越英一郎の妻・松居一代だったという。
「騒動の発端は27日に更新された松居さんのブログでした。突然、夫の船越さんが家出をしているという報告をしたのです。それも衣服など全てを持ち出してと空のクローゼットの画像なんかも貼って。その原因について、松居さんは、ドラマ『悪女について』を挙げ、その中で夫が沢尻さんとラブシーンをしたため、嫉妬に狂いケンカになったというのです。なんだかよくわからない話ですし、俳優の夫を持つ妻にしてはずいぶん下らない話なんですが、家出というフレーズを持ち出されては、マスコミは放っておかないですよね。月曜日には、各局のワイドショー取材班が駆けつけ、話を聞きに行きました。夫が家出したというのに、松居さんのテンションは異様に高く、しかも取材の途中で『悪女について』の台本を取り出すなど、その行為はもはや番宣そのものでしたけどね。せっかく取材に行ったわけですし、日本テレビもフジテレビもワイドショーで取り上げていましたよ。その甲斐もあってか、ドラマは高視聴率を獲得できたということです」(業界関係者)
ライバル放送局のドラマを宣伝することなど、まずありえないのがテレビ業界というもの。わざわざする必要もなければ、するメリットもないのだから、当たり前といえば当たり前だ。しかし、ニュースソースそのものにドラマが絡んでくれば話は別。知名度も人気もある松居・船越夫妻が別居となればマスコミは注目する。そしてその原因が夫の出演しているドラマにあれば、それがたとえ他局のものであろうとも、伝えないわけにはいかない。つまり松居は、そんな業界の常識を、嫉妬に駆られた妻の暴走に夫が家出をしたということで見事に打ち破ったわけだ。
ところが家出というのは、単に船越が長期の撮影で京都に行っているというだけのこと。ドラマの放送された翌日には、松居自身もドラマを楽しみにしていたと書き込みがあり、高視聴率を願っていたことを告白。つまりは家出騒動も何も視聴率獲得のための茶番だったというわけだ。
そんな松居の行動にネットユーザーらは「下らないことするな」「船越もそんな番宣は望んでないはず」「いい迷惑だ」「目障り」などと手厳しいコメントを寄せる。しかし一方では、「そこまでして番宣する根性は認める」や「自分の好感度を下げてまで夫を持ち上げるのはさすが」「いい嫁だ」「あげまん」と松居の行為を認めるコメントも多く見られる。結果として、近頃のテレビでは高視聴率といわれる15%近い数字を獲得したドラマに一役買ったのは間違いないということかもしれない。
とはいえ話題性だけで数字が稼げるほど甘くはないのが今のテレビドラマ事情。『悪女について』は、内容も十分見応えのあるものだったといえるだろう。松居が煽るほどの濃厚なラブシーンはなかったものの、やはり沢尻エリカの美貌と存在感は別格だった。今作で女優としてまた一歩踏み出した沢尻には、また新たな舞台で活躍して欲しい。それにしても、本当にしたたかだった松居は悪女なのか良妻なのか難しいところだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
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