4月9日に放送された『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の名物コーナー「テレフォンショッキング」は、『いいとも』史上に残るショッキングなものとなった。同コーナーに出演したバイオリニスト・高島ちさ子は、翌日のゲスト(ともだち)に電話することもなく、タモリが翌日のゲストである水川あさみに電話したのだ。翌日10日の放送でも同様のやり方で、11日のゲスト小池栄子を紹介した。
「テレフォンショッキング」は、MCであるタモリと日替わりのゲストがトークを繰り広げる、1982年の放送当初から続いている唯一のコーナー。開始当初、タモリは「友だちの友だちはみな友だちだ、世界に広げよう友達の輪、輪っ!」と、観客とともに掛け声をかけたあとに、ゲストが友人を次回のゲストとして電話で紹介し、人の輪がつながっていくというコンセプトを持っていた。現在のようにコンセプトが形骸化する前、ガチンコで友人が紹介されていた頃には、タモリが自身のラジオ番組で「曲がキライ」と公言した小田和正が出演することすらあり、“ショッキング”の冠通り、予定調和ではない面白さに溢れる名物コーナーだった。
今回の突然の変更にいぶかしがる声も上がっているが、同局の広報は「新コーナーなども含め、あくまで番組の変化の一つ」「今春はこの形式で続ける」としている。
ネット上では、今回の変更の原因に、先月の8日、同コーナーに出演した矢田亜希子が大竹しのぶを紹介する際、電話口で「はじめまして」と口走ってしまった“失言事件”が影響しているのではないかとささやかれている。
「この“失言事件”以前にも、会ったことがないが友だちになりたい人を呼んだり、電話した人に『友だちじゃない』と直接言われた人もいましたし、矢田亜希子が直接の原因というわけではないでしょう」(芸能ライター)
それでは、なぜ長年親しまれてきた「テレフォンショッキング」の仕様が変更されたのだろうか?
「友人つながりというコンセプトを取り外し、番組宣伝のためのゲストを呼ぶコーナーとしての機能を強化させたかったのではないでしょうか。番組改編期やフジテレビがスポンサードする映画公開時に顕著ですが、もともと宣伝色は強いコーナーではありましたしね。今回の変更で、いままで“ともだち”枠としては出せなかった、番組のラスト数分にしか出番がなかった外国人のアーティストなども出演させることができますし、テレフォンショッキング自体を宣伝枠として売れば、かなりの額が見込めるのではないでしょうか。順当に考えれば、フジテレビが推しているといわれる韓流アーティストや俳優の出演が増えそうですがね(笑)」(前出・同)
昨年から『いいとも!』の視聴率は下がっており、他局の同時間帯番組『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や『ひるおび!』(TBS系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)にも負ける日も少なくない。長年日本のお昼の顔のポジションに君臨してきた『笑っていいとも!』。その名物コーナーの変更は、番組の寿命を一気に縮めることになるのか、はたまた活性化につながるのだろうか……。
(文=木嶋陽介)
番組終了もありえる?