さいたまスーパーアリーナで3日間連続開催の「AKB48コンサート 業務連絡。頼むぞ、片山部長!」の最終公演が25日に行われ、エース・前田敦子(20)がAKB48からの卒業を発表した。
ライブの終盤、前田が「私は14歳のときにAKB48のオーディションを受け、初期メンバーとして加入させていただきました。それは、私の人生にとって初めての大きな決断でした。そして、今日ここで2回目の大きな決断をさせてください。私、前田敦子は、AKB48を卒業します」とファンに告げた。
公演初日に念願の東京ドーム公演決定が発表され、「ドームを最後にAKB解散か?」などのウワサが流れていたが、隠されていたサプライズは前田の卒業だった。卒業時期は決まっておらず、脱退後にどのような活動をしていくかも未定だという。
突然過ぎる告白に約2万5千人の観客はパニック状態となり、「卒業なんて嘘でしょ!?」「あっちゃぁぁぁぁんん!!!」「うぉぉぉ…! あり得ないよ!!」などといった絶叫と涙で嗚咽するファンの声が会場にこだました。
公演後、総合プロデューサーの秋元康氏(55)は、Google+で「前田敦子はストイックです。なあなあな関係が嫌いで自分を追い込みます。孤独です。自分への苛立ちが、時に誤解される”不機嫌さ”です」「みんなが自分に気を遣ってくれることも辛かったようです。このまま心地いい環境にいたら、もっとわがままになってしまう自分が怖かったのかもしれません。だから、敢えて厳しい世界に飛び込もうと思ったのでしょう」と彼女の胸中を代弁。前田の所属先である太田プロは「事務所も本日聞きました」とコメントし、本当に突然の発表だったことをうかがわせている。
これまでも大島麻衣(24)や小野恵令奈(18)ら人気メンバーの卒業はあったが、不動のエースとしてグループを牽引してきた前田の卒業はあまりにも衝撃的だった。
これはAKBにとって、どんな意味を持つのか。
「前田は以前から、AKBのエースとしての自分に疑問を持っているような発言をしてきました。ビジュアルも歌もダンスも一流とは言い難いのに、センターとして持ちあげられ続ける重圧に苦しんでいたのでしょう。この時期に発表したのは、絶対に成功させなければならない東京ドーム公演が決まったため。前田の卒業を前面に押し出した公演になることは間違いない。前田の卒業ありきの公演決定だった可能性もあるでしょう」(週刊誌記者)
また、前田は卒業発表の際に「後輩のためにも私が卒業して歩きださなきゃいけないと思います」とも語っている。
ブレイク後のAKBは人気メンバーが固定され、よほどのプッシュがない限りは下位から上位への進出が難しくなっており、前回の選抜総選挙も見どころが少なかった。人気メンバーの認知度が上がっている証拠である半面、メンバー入れ替え型グループとしての命である新鮮さが失われつつあった。下位のままのメンバーが待遇の悪さから脱退するケースもあり、上位の中にも”AKBが終わった後”に不安を抱くメンバーがいる。
グループの顔として活躍してきたからこそ、前田はAKB以後の道を切り開く覚悟を決めたのだろう。
だが、この前田の言動に対し、ファンからは「篠田麻里子や大島優子など他の人気メンバーもAKBに居づらくなるのでは」といった心配の声が上がっている。
これを機にメンバーが次々と卒業していくという可能性はあるのだろうか。
「前田が口火を切る形で人気メンバーの卒業は続くはずです。新鮮味が薄れて人気が下り坂になってきたAKBの次の戦略として、卒業ビジネスを展開していくつもりでしょう。前田に代わる新たなスターを育てつつ、人気メンバーを卒業させて話題を振りまいていくのでは。卒業したメンバーがAKBという看板を外してソロ活動するのは厳しいという声もあるが、前田に関しては引き続き秋元さんやAKS(※AKBの運営会社)がバックアップするようです。あとは彼女の才能次第でしょう」(芸能関係者)
結成当時からの悲願であった東京ドーム公演決定とグループの顔だった前田の卒業が同時期に発表されるというのは、AKBの次のステージを予感させる象徴的な出来事だったようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)
ライバルを失った大島優子が心配だったりも…