◆メーカー:マキシング◆品番:MXGS-398◆時間:120分◆価格:2,980円
プロAV女優・吉沢明歩のセックスには彩りがある。それは、彼女自身が激しいだけのまぐわいを嫌い、必ず役柄に応じた”色彩”を乗せるからだ。つまり、設定によってセックスを使い分けているということ。だからといって、彼女はセックスを演じているわけではない。本来、女という生きものは、誰に挿入されても同じ快感を得るような身体は持っていない。相手によって、シチェーションによって、あるいはタイミングによってでも感度は変わってしまうもの。当然、喘ぎ声だってひとつではない。言葉同様に感情によって全く別のものになってしまうのだ。それを彼女は作品の中でもしっかりと見せてくれる。それだけのことなのだ。
「そんな器用なことができるものか」と思う人もいるだろう。そのような人にこそ、ぜひこの『養父に犯された花嫁』をしっかり鑑賞してもらいたい。この作品は、幼くして孤児となった明歩が、養父の元で大切に育てられ、成人し結婚して巣立つ、その前日までを描いた官能ドラマ。
血のつながりのない明歩を、我が子同様に育てた優しく穏やかな養父と、いたずらっ気はあるが平凡な兄。2人の男性に見守られ、愛する人の元へ巣立っていこうとする明歩は、婚約者を受け入れてくれた義父に心から感謝し、「幸せすぎて怖い」と喜びの吐息を漏らす。
しかし、その夜、突如として悲劇の幕は上がる。バスルームから出てきた明歩に兄が襲いかかってきたのだ。セックスにまでは至らなかったものの、いきりたったチ●ポを喉奥まで突き立てられた明歩は、驚愕し言葉を失い、「彼氏にバラされたくないなら、しっかり気持ちよくしろよ」と脅す兄の言葉に従うしかなかった。見開いた目から一粒の涙をこぼし、えずきながら懸命に奉仕する明歩。
しかし、本当の悲劇はその数日後だった。養父が定年退職を迎えた日の夜。そして、明歩がもっとも期待に胸を弾ませていた、結婚前夜のことだった──。
悲劇のヒロインを演じたあっきーは、本作で3回のセックスシーンを披露する。まずは、婚約者とのセックス。結婚報告を控え、緊張する婚約者を受け止める様にしっかりと抱き合い、ゆっくり深く密着する熱いセックス。「ずっと一緒ね♪」と、今にも溶けだしそうな顔でキスし、激しく腰をすりつけ、おねだりするかのような対面騎乗位に思わず頬が赤らんでしまう。
2回目は、大学時代の回想シーン。親に反抗し、夜遊びを繰り返していた彼女は、年上の恋人と激しいセックスを楽しむ。若さに任せて激しく迫る恋人の一突きに唇をキュッと噛み、ウブな顔であえぐあっきー。「はぁん、は、んん」と、小鳥がさえずる様な可愛い喘ぎ声を響かせ、そっと背中にすがりつく愛くるしい姿が目に眩しい。
そしてクライマックス。3度目のセックスは、こんな言葉から始まる。
「お前はな、この家に来た時から俺の所有物なんだよ!」
この言葉を発したのは、思いもよらぬあの人……と言ってもタイトルを見ればわかってしまうが、養父である。結婚前夜、喜びと寂しさで複雑な笑みを浮かべながら、あっきーは養父に感謝の挨拶をする。しかし、その直後、彼はこの言葉を吐き捨て、彼女を畳に押し付けるのだ。
どんなに激しく突き上げられようとも、喘ぎ声を喉で押し殺し、必死に顔を背けて口を閉ざすあっきー。純白のドレスを赤黒い血で染めるような残酷なセックスに、彼女は体を硬直させたまま身動きひとつせず、悲鳴のような甲高い嗚咽だけが響く。顔を真っ赤に紅潮させ、打ちひしがれた目で崩れ落ちていく彼女が残す、べったり胸に残る痛ましい余韻に、誰もが言葉を失うだろう。
最近流行りのAV女優のセックスは、どれも同じで刺激がない。そんなのは全くの誤解だ。デビューから9年目を迎え、成熟したプロ女優へと成長を遂げたあっきー。彼女が見せる彩り豊かなセックスは、飽きるどころか、激しく強く観る者の心を惹きつけていく。
筆者は以前彼女に、「セックスの違いを見せることができるなんて凄いですね」と、生意気にも告げたことがあった。この作品を鑑賞し、ふいにその時の彼女の誇りに満ちた笑みが蘇った。
「うふふ……プロですからね」
その言葉の意味、重み、迫力を、どうぞその目で見極めていただきたい。
(文=文月みほ)
セックスで喜怒哀楽を表現できるのはスゴイ!
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