「出てけ! 日本が嫌だったら出てけ!」
今月17日に放送を予定している『なかよしテレビ』(フジテレビ系)の番組宣伝VTR中で、マツコ・デラックスが叫んでいる言葉である。このマツコの言葉に、多くのネットユーザーが素早く反応、多くのスレッドが立ち「よく言った」「韓国ざまぁ」「本放送が楽しみだ」などとマツコを賞賛するコメントが寄せられている。
昨年の10月から放送をスタートしている『なかよしテレビ』。番組のコンセプトは、「日本を含むアジアを中心とした3カ国の出演陣が、さまざまなテーマについてお国自慢をする」というもの。主に日中韓による討論形式のバラエティなのだが、その内容はバラエティの域を超えて、各国の人々の本音が垣間見えるものとなっている。似たような番組として同時期に始まった『世界のみんなに聞いてみた』(TBS系)があるが、3カ国に特化した同番組の構成は、より激しい討論を展開させている。
そんな番組に初出演を果たすマツコは、「K-POPに物申す」というテーマで論を展開している模様。「日本の芸能界は草野球。韓国の芸能界はプロ野球」と主張する韓国人出演者に対し、「K-POPとか見ているとアメリカのパクリにしか見えない」と言い放ち、「あんたたちの音楽も受け入れてやってる」「これだけ懐の深い国がどこにあるんだよ!」と主張する。もちろん、これらの発言は先日から同局で流されている番宣VTRを見たものであり、それ以上でもそれ以下でもない。どういった経緯で、そういった話になったのか、またその後どんな結論になるのかというオチについては、本放送を見るまではわからない。だが、冒頭に記した「日本が嫌だったら出てけ!」というマツコの言葉は、紛れもなく本人の口から出ている言葉であり、多くのネットユーザーがこの言葉に共感しているのは間違いない。そしてまた、この番組を放送するのがフジテレビというのも彼らの興味を引く要因になっている。
昨年の夏、数千人規模という抗議デモを受けたフジテレビ。もちろんその抗議内容は同局における韓流偏向放送を是正しろというものだった。しかしデモ隊の提出した抗議文に対しフジテレビ側は正式なコメントを拒否。未だに、韓流偏向放送という批判に明確な態度は示していない。そんなフジテレビがK-POP批判を堂々とするマツコをゴールデンタイムで流すという。一体これはどういった風の吹き回しなのだろうか。
「韓流偏向という批判はありますが、一部で韓流ブームが巻き起こっているのは事実ですからね。フジに限らず、各局はBSなどで韓流ドラマを流していますし、そういったニーズがある以上、局とすれば韓流偏向と言われようとも、態度を変える必要はないと思っていたのでしょう。しかし、ご存知のようにフジテレビは大晦日に放送した『ものまね紅白歌合戦』(フジテレビ系)で大惨敗し、7年連続で続いていた視聴率3冠の座を日本テレビに奪われてしまいました。上層部がどんな思惑かはわかりませんが、一般の社員がこうした結果を韓流偏向という批判にあるのではないかと思っても不思議ではないですよね。実際抗議を受けた年に視聴率3冠という立場を失ったわけですから。一部の社員が危機感を感じて『なかよしテレビ』をゴールデンタイムに持ってきたという可能性はあると思います」(制作会社関係者)
実際に視聴者から寄せられているK-POPアイドルへの人気と、それらを批判する人々の数と、どちらが大勢なのかはわからないが、ネットという世界においては韓流批判という人々が圧倒的なのは間違いないだろう。前出の関係者が指摘するように、フジテレビの人間が、そうした人々による韓流偏向という批判の声を聞いてマツコの韓流批判発言を放送するということならば、それはネットユーザーの声というものが≒視聴者の声と認識され始めていることを示しているといえる。今後フジテレビがどういった態度に出るかはわからないが、マツコの発言を皮切りに、韓流偏向放送から決別するという道を選ぶのかもしれない。ともあれ、17日の放送がどんな形でなされるのか注目したい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
『フジテレビデモに行ってみた! -大手マスコミが一切報道できなかったネトデモの全記録』
やっぱり効いた?