オナニーに快感以外のメリットはあるのか?

※イメージ画像:『ひとりでえっち』

 「何故、オナニーをするのか?」、それを聞くのは野暮というもの。オナニーをする理由を問われたら、「快感を得るため」と、誰もが口を揃えてそう答えるであろう。「快感を得るため」という目的に似た理由として、「溜まっているものをスッキリさせるため」という人もいるかと思う。いずれにせよ、オナニーをする第一の理由は、快楽目的・性欲処理目的であるということは間違いない。

 オナニーが快感重視の行為であることをベースにおくとして、快感以外になんらかのメリットはあるのだろうか? 例えばセックスは、快感や子作りという目的以外にも、スキンシップによって愛情を確かめ合うことも出来る。オナニーにも、そういった「プラスα」が欲しいものだ。むろん、2人以上で行なわれるセックスに対して、オナニーは単独行動である。他者との愛情確認というメリットは得られない。だが、何かあるはずだ。

 例えば、「想像力が豊かになる」という利点を挙げる人がいた。オカズには、グラビアやAVなど視覚的なアイテムを利用するが、そのオカズとの「あれやこれや」に対して妄想を働かせる人がほとんどだろう。そのことによって、発想力が豊かになり、それが社会生活にも役立っているというのだ。男社会では、ユーモアの効いた下ネタを話せるということがプラスに働く場合があるという。無礼講の宴席の場などで、適度な下ネタによって場を盛り上げ、仕事上にもプラスになったとのこと。とはいえ、あまりにも下品な内容は引かれてしまうこともあるので、さじ加減が難しいところである。

 ほか、快眠効果を推奨する声もあった。オナニーは、やり方にもよるが、多かれ少なかれ体力を消耗する。100メートル走と同じだけの体力消費をしているという俗説もあるが、その真偽はさておき、適度な疲労感が快眠に繋がっているのかもしれない。そのためか、オナニーをする時間帯に関しても、「夜、寝る前にする」という人が圧倒的に多かった。

 反対に、朝オナニーを推奨する人もいる。前述の快眠効果を踏まえると、朝オナニーをしてしまっては、会社で眠くなるような気もするのだが、むしろオナニーの後は頭が冴え、仕事もはかどるという。そういえば、男性はオナニー直後、「賢者タイム」というひとときに突入する。賢者タイムとは、射精によって煩悩から解放され、悟りの境地に達したような心境になる数分間を指す。オーガズムによって分泌した男性特有の性ホルモンを、体が鎮静化させようとしていることによって起きる現象なのだが、全くの無欲無我の状態になる人もいるようだ。この賢者タイムからの帰還スピードは個人差があるようなので、会社に出勤してからも頭が冴えわたっているという人は、賢者タイムからの帰還がゆっくりなタイプなのだろう。余談だが、通勤の満員電車で、女性と密着しても下半身が反応せずに済む、というメリットもあるのだそう。電車内での勃起が気になる人は、朝オナニーを取り入れてみては如何だろうか。

 ところで、女性のオナニーはどうなのだろう? 女性特有の意見としては、「オナニーによって、自身の性感帯の発見が出来る」というのが特徴的だった。男性との性体験が少ないなどの理由で、己の性感部位や嗜好が掴めていない女性も少なくないようだ。一般的に言われる、「クリ派なのか、膣派なのか」という部分の確認や、「セックスでイッたことがないので、イキやすいポイントを予習復習してセックスに備える」とのこと。

 また、女性誌などでもおなじみの「オナニー=スキンケアに効果アリ」という意見もあった。オトコからすれば、「オナニーで美肌だなんて、そんな馬鹿な?」と言いたいところだが、性感帯を刺激することでホルモンバランスに好影響を及ぼし、肌ツヤが良くなるのかもしれない。ということは、美肌女性は相当なオナニー愛好家ということなのだろうか? ということは、性に対しても積極的だろうから、誘えば簡単に股を開くであろうと、都合良く解釈したいところだが、オナニー頻度とは関係なく肌ツヤの良い人もいるだろうから、アプローチの際には気を付けて頂きたい。

 快感以外にメリットがあるのは、もちろん良いことだが、そちらに固執しすぎると、本来の「気持ち良いから行なう」という本能が薄れてしまう。プラスαの部分は、あくまでもオマケ的なものと捉え、やはりオナニーは快感目的で楽しみたいものである。
(文=菊池 美佳子)

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