はるな愛、椿姫彩菜、佐藤かよ……など、芸能界ではニューハーフ美女の人気が急上昇。その波が、とうとうAV業界にもやってきました!! いままでも企画モノとして「ニューハーフ」の需要はありましたが、このたび、蒼井そらの所属事務所「プライムエージェンシー」から、超大型新人単体女優が誕生! しかも、それが以前当サイトで紹介した天音るか(あまね・るか)ちゃんだというのだから二重の驚きだ。さっそく再度インタビューをお願いしちゃいました。
──心は完全に女性だと伺っていましたが、こうしてお会いしてみると、完全に見た目も女性ですよね。
天音るか(以下、るか)クラブでナンパとかもされるんですけど、その流れでホテルとかに行って、「あっちもついてる」ってなるんですけど、約半分は「それでもいいや!」って、そのまま……(笑)。クラブも最近はあんまり行ってないですけどね~。
──そうなんですか! まあ、このくらいかわいいとどっちでもいいですよね(笑)。
るか いや~、いま顔にヒビが入ってないか不安なんですけど(笑)。
──見た目は学生時代からずっとこんな感じですか?
るか あんまり変わってないですね。学生時代は「この子どっちなんだろう?」って思われてたかと。ユニセックスな感じでしたね。小学校のときは、周りはやっぱり理解はなかったですね。高校では音楽活動にのめり込んでたんで、居場所を見つけられたというか。バンドでギターボーカルをやってたんですよ。
──花形ですね。ピュアな雰囲気だし、絶対モテるでしょう。モテレジェンドとかありますか?
るか うーん、街でちょこちょこナンパはありますけど……。最近ギャルっぽい格好をしなくなったので、減りましたね。ショーパブやバーで働いてたときは、声をかけられまくりでした。
──ギャルだったんだ!!
るか そうなんですよ。ブリーチしてエクステで盛ってました。「筋盛りでお願いします」みたいな(笑)。だからか、いまは髪の毛が傷んでるのが気になってて、ケアにお金がかかってますね(笑)。
──女の子だね~。生まれたときから女性の心ってことは、別に性別の葛藤っていうのはなかったんですよね。
るか そうですね。ほんとうにただ体がひっくり返っちゃった、みたいな感じですね。
──じゃあ、恋愛感情も男性にしか持たないんですよね。女性と行為に及んだことは?
るか ないですね。最初からっ恋愛対象は男の子でした。
──セックスをする相手の基準や好みはありますか?
るか 好みは多少はあるんですけど……、そんなには。中身で好きになることが多いので、あんまり気にしないですね。
──AVを見るときも女の子と同じ感覚なんですよね?
るか はい。あ、でもホテルで流れてるのとかを見たことはありますけど、1本丸々はないです。最初はすごいな~と思いました。アクロバティックで……。
──どんなの見てたんですか(笑)。そうそう、初体験は?
るか 伊豆大島に免許合宿に行ったんですよ。そこでひとつ上の大学生の人に付き合おうよって言われて、リゾート地で気分も盛り上がってるから、「はい」って即答(笑)。で、その流れで。
──最初のセックスはどうですか?
るか 痛かった。とにかく痛かった。取れるかと思いました(笑)。
──下のほうはどうなってたんですか?
るか そのときはもう手術途中でした。うれしかったけど、痛すぎて結局最後までできなかったんですよ(笑)。相手はスイッチ入ってるから、超不完全燃焼だったけど(笑)。
──彼氏とか男の子には、自分から打ち明けるんですか?
るか そうですね。打ち明けるパターンもあるし、紹介とかだと先に「G.I.D(性同一性障害Gender Identity Disorder)の子なんだけど」て言っといてくれるから。反応は大体2パターンに分かれますね。「あ、そうなんだ、別にいいよ」ってなるか、びっくりされるけど「すごいじゃん、大変だね」って話になるか。
──ちょっとずつ時代が変わってきて「完全に無理!」って言うと、言った人の人格の方が疑われるようなところもありますもんね。でも親御さんに紹介されるときとか、結婚とか、ハードルは高いですよね。
るか そうですね。けど、最後まで手術すれば戸籍上でも女性になれるんですよ。私の両親も、私は昔からこういう感じだったんで「やっぱりそうなんだ」ってなると思います(笑)。
──結婚願望はあるんですか?
るか いまはまだないですけど、ゆくゆくはしたいですね。いい人がいたら。玉の輿的なものに乗れたらうれしいけど(笑)。
──結婚相手の条件は?
るか 一緒に楽しい時間を共有できる人、気や趣味が合う人、芸術が好きな人、優しい人……いっぱい出てきちゃった(笑)。
──その条件、いいですね~。性別うんぬん以前に、るかちゃんの人間的魅力というか、優しさがあふれてる感じがします。で、その大学生の彼とはどのくらい付き合ったの?
るか その間だけです。リゾート地の恋(笑)。
──ありゃりゃ(笑)。初体験以来、セックスは好きになりました?
るか 好きにまでは多分まだなってないですね。それからちょっと間があいて、ちょこちょこ彼氏もできたりしたんですけど、セックスが好きっていうより、相手が好きだから。
──であれば、AVはキツくなかったですか? 撮影はどうでした?
るか どうすればいいかわかんなかったです。最初の作品はひたすら言われたことをするのに必死で、でもそれだけじゃダメだと思って。自分の魅力を伝えるにはどうしたらいいんだろうってカメラの前で試行錯誤しながらやってたんで、すごいぎこちないと思うんですけど(笑)。
──自分の魅力はどこにあると思いますか?
るか ……わかんない(笑)。
──(笑)。ちなみに、今、下のほうってどうなっているんですか?
るか 玉だけとってます。工事途中、もうちょっとですかね(笑)。胸はちょっと大きすぎるんですよね。外国で入れたから、カップ数がちょっと違って……。
──AVのほうでは前後両方使ってるんですか?
るか 前はフェラまでですね。挿入はされてます。
──前は性的興奮で反応するんですか?
るか はい。でも前を使ったことはまだなくて。だから童貞なんですよ。前は童貞、後ろは処女じゃない、みたいな(笑)。使いたいとも思わないですね。オナニーでは使うときもあるんですけど、なるべく後ろを使うようにしてますね。
──それなら、すんなり移行できそうですね、
るか いままでも意識することはあんまりなかったですけど、手術したら、あったことすら忘れちゃいそう。
──もし男性に「るかちゃんの前をボクの後ろに入れて」って言われたらどうしますか?
るか プライベートだったら絶対にイヤですね。
──AVの男優さんと初めて絡んでみて如何でしたか?
るか そうですね。すごい慣れてる方で、カメラにうまく映るようにリードしてくれたりとか(笑)。乱暴するとかもないし、安心して任せきってました。
──実際「うまいな」と思いましたか?
るか ……うまかったです。……気持ちよかったです(笑)。ちょこちょこプライベートにも応用できそうな「ん、これは!?」っていうのがありましたね(笑)。
──プライベートなセックスとは違いました?
るか 違いましたね。まずカメラがあるし、でもそれを意識しないように、自分を出し切って集中しようと思うんですけど、でもやっぱり気になっちゃったり(笑)。
──でも、そもそもなんでAVに出ようと思ったんですか? ほんわかした雰囲気とギャップがあるように思えるんですけど……。
るか 興味が大半ですが、後ちょっと手術代を稼ぎたいなと。タイでは100万円くらいでできるんですけど。前は昼のアルバイトをしてたんですけど、なかなかお金が貯められなくて。現実はなかなか厳しいですね。普通の仕事も、こういう性だと雇用の機会自体が限られてきますし……。
──普通のOLでもなかなか貯められる額じゃないですよね。
るか 一時水商売もしたんですけど、そっちはちょっと肌に合わなかったみたいで。いじめられまくりました(笑)。キャバクラの面接で落ちたこともあるんですよ。「もし下を触られたら大問題になっちゃうかもしれないから」って。
──「下を触られる危険性」が高いキャバクラはイヤですね(笑)。では、AVに出て、どんな活動をしていきたいですか?
るか これはお金と、後もうひとつの出演を決意した理由なんですけど、社会に出ていろいろ発信できたらいいなと思ってます。やっぱりある程度、発言力は知名度に比例すると思うから。なくなってきているとはいえ、未だにニューハーフにはすごい差別や偏見があると感じます。変わりかけてきてはいると思うんですけどね。でも完全にではないから、AV以外の機会をいただけたりしたら、自分がそういうところにいることで、メディアがつくった「ニューハーフ」のイメージを覆したいですね。いまはなんとなくひとくくりになってるけど「そういう人だけじゃないんだよ」って。
──まだまだ偏見もあるし、叩かれたりもするでしょうね。残念なことですが……。世間から受け入れられがたいところがあるのに、あえてAVにチャレンジするっていう茨の道を選んだわけですよね。覚悟とか葛藤とかはあったんですか?
るか それは……少しありました。AVに出ることによって失ってしまうものがあるんじゃないかなっていう怖さも正直ありましたし。でも、それよりもいま自分ができることを精一杯やりたいな、って。私以外にも悩んでるニューハーフの子とか体を治療したいと思ってる子とかいっぱいいるから、そういう子たちの環境をもっと良くしてあげたいなって。
──自己犠牲的とも言えますね。どのくらい悩みました?
るか でもそれほどでもなかったですよ。AVって、私の捉え方ではエンターテインメントだと思ってて、みんなに見せる、見せるなら楽しく作ろうっていう。
──AVが発売されたらイベントとかもあると思うんですけど、それはどうです?
るか ぶっちゃけ、怖いですね。もともとあんまり前に出るタイプじゃないし、出たこともないし。ほんと見た目のまんまなんです(笑)。「どこどこが男っぽい」とか粗さがしもされそうだし。でも、叩いたり意地悪なことを言う人は、どういう世界、国にもあるから。イジワルな気持ちが少しでもなくなればいい世界になると思うんですけどね。叩かれても気にしないようになりたい!
──目立つゆえ、アンチが出てきたりするかもしれませんね。
るか アンチが増えてもいいです。ものすごい有名になりたい! みんなに名前を覚えてもらえれば、自分のできることも増えると思うから。本当はアンチがいるのはさびしいけど(笑)。
──いままではニューハーフものっていうと、どうしてもキワモノ扱いっていう感じでしたもんね。
るか 昔よりは全然増えてますよね。たとえばAVのジャンルに「巨乳」とか「熟女」とかありますけど、そのなかのひとつのジャンルとして同じくらいのポジションで「ニューハーフ」っていうのが自然に存在できればいいなと。
──自然、キーワードですね。るかちゃんも無理して女であろうとしていないというか。ニューハーフの方って、パキッとした方が多いと思ってたんですけど、これも既成概念でしたかね!?
るか そうですね、私はゆるい系です(笑)。ほかのニューハーフさんを見ると、私ももっとキレイになれるようにがんばらなきゃって思います。体型とかも気になるし、美容にはお金がかかりますね~。
──そうですね。実際に女性である私もそう思います……。実は私も子どものころ、変なことを教わっちゃって。「性器の部分が6歳までに発達したら男になる、変わらなかったらそのまま女だからね」って言われてドキドキしてたんですけど、変化がないまま6歳を迎えたんで「あ、私は女なんだな」と自覚したんです。だから性別に関しても、根本ではよくわからないっていうか(笑)。
るか 実際、大人になっても性別がないって人もいますよね。男でも女でもないっていう。Xジェンダーって言うんですけど。X、どっちでもない。ジェンダーの悩みを抱えてる人にはいろいろ会ったことあるんですけど、性別って、男か女かでパキッと分かれてるんじゃなくて、グラデーションみたいにゆるい曲線になってるんじゃないかなって。いろんな方と話して、そう思いました。だから履歴書も性別じゃなくて、「○○度」みたいに得意不得意を表すようにしてほしいです(笑)。そういう社会に変えていきたいですね。いろんな人が自然体で生きられるような。
──ほんと、そうですね! るかちゃん、しっかりしてますね。いい意味でそうは見えないけど(笑)。「これから売り出します!」っていうふうにはとても見えないよね(笑)。
るか すごい「がんばるぞ!」って感じなんですけど、性格上うまくアピールできないというか(笑)。ほんわか見えちゃうみたいですね。
──では、最後に読者の方にデビュー作の見どころを教えてください!!
るか どうしよう、考えてなかった(笑)。うーん、見どころは……、全部です(笑)。緊張したけど、マイペースに、自然体でできたかなと思います。なので、見てくださった方が癒されたらいいな~と。マイナスイオンが出てる作品になってると思うので(笑)、ぜひご覧になってください!
オモチャのガチャガチャが未だに大好きで、お気に入りは「おすしのやつとかマニアックなの」と笑う、るかちゃん。ゆるい系ニューハーフという新ジャンルを築く先駆者になってくれそうです! インタビュー時もマイナスイオンが出まくりで、筆者も編集長もカメラマンも、仕事をしながらみんな癒され、リラックスしたムードで進行できましたよ。今回で会うのは2回目、という編集長は「前よりやせて女の子っぽくなった」とご満悦な様子。「いいニオイがする」と喜んでました。あのいいニオイ、この記事に乗ってみなさんに届いたらいのにな~!
(取材・文=鈴木浪子/写真=貴田茂和)
天音るか(あまね・るか)
生年月日:1990年3月10日(21才)/身長:T165/スリーサイズ:B95(Gカップ)・W57・H85
■天音るかオフィシャルブログ「音楽ばか一代」